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薩摩節(薩摩型本節)の製造工程

 

6.削り(けずり)

 

手削り1 荒節の表面に付着したタール分を取り除く作業です。

 

手削り2 昭和40年頃までは、写真の様に小刀を用いて表面を削る「手削り」が 主流でしたが、今では下の写真の様な機械を用いて表面を削ります。

写真のように、井上さんは手削りも上手に出来ますが、若い製造家では出来ません。 「手削り」の技術は、10年後、確実に受け継ぐ人がいなくなると思います。


 

機械削り1 表面削りの機械には紙ヤスリをつけた円盤がついています。モーターにより回転している その円盤に荒節を当てて表面のタール分を落とします。

この削りの作業は相当根気がいる仕事のようで、多くの仕上節製造家は外注に出しています。 井上さんのように表面削りを全て自分一人でやる製造家は数えるほどしかいません。


 

機械削り2 表面削りの時に出る粉(多くはタール分です)は燻しの香りが極めて強いので、 鰹節の香りは燻しの香りと勘違いしている大手食品メーカーが好んで使うため 結構な高値で取り引きされています。

化学の力で鰹節の味らしきアミノ酸は安い原料から抽出できるのですが、人間の味覚も 捨てたのもではないので、それだけでは誤魔化されないようです。そこで、必要となる のが、この粉がもっている燻しの香りなのです。


裸本節 井上さんが荒節の表面を丁寧に削ると、「薩摩型裸本節」の出来上がりです。

人口一人あたりの鰹節の消費量が日本で一番高い県はどこかご存じですか?

正解は沖縄県です。沖縄の方が使う本節がこの裸本節です。だしを取るより食べるため の本節のようです。本当は日本で一番人気のある節なのかもしれません。

歴史的に見ると、江戸時代中期までの本節はこのカビのついていない裸本節でした。

この由諸正しい「裸本節」を是非一度お試しください。






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