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薩摩節(薩摩型本節)の製造工程
5.焙乾(ばいかん)
「なまり節」を燻し、乾燥させる工程です。
先ずは、なまり節を丁寧に乾燥室に並べます。「籠立て」同様、ぞんざいに節を並べると 節の形状が悪くなるので、丁寧に並べなくてはなりません。
堅木を燃やして、下から、煙と熱を節にあてて、時間をかけて節の表面の水分を飛ばします。 一度燻しただけでは節の内部の水分はまだ沢山残っています。
節を常温で一晩冷やすと、節内部から水分が表面に出てきます。この工程は「あん蒸(あんじょう)」 と呼ばれています。
焙乾とあん蒸を6回から15回程度(節の大きさに応じて)繰り返し、節の水分量を30パーセント 以下にまで減少させます。
カシ、ナラ、クヌギ等を写真のように燃やして、煙と熱を発生させます。 薪の置き方や火力の調整も職人の腕の見せ所です。
私のような素人では、この煙い所で作業をすることさえ出来ません。 優秀な製造家になるには忍耐力も必要です。
「焙乾」を終えた節は「荒節(あらぶし)」と呼ばれています。
薪の煙は節に芳香を与え、タール分を節の表面に付着させます。 このタール分の化学的な意義は、節のもつ脂肪分の酸化防止と節の腐敗防止です。
市販の「花かつお」の原料は、この段階で出来上がる荒節です。
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