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クズは粉だしにならない
普通の粉ならクズでも粗悪品でもどうにかなります
でも、微粒仕上げの粉だしには・・・
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確かに、粉作りの実験をはじめる前は、「粗悪品でもクズでも粉々にしてしまえば、 きちんとした原料と見分けがつかない」と私も思っておりました。それ故、わざわざ粉を製造して販売することには気乗りが しなかったのです。
当然、出所の正しい原料を粉にすることが大原則なのですが、お客様が粉を手にとって、「それが本当に 真っ当な原料から作った粉なのか、それとも、粗悪品を原料とした粉なのか」を、見ただけでは判断が つかないような商品は売りたくなかったのです。

水分量10%未満、これが第一関門です
かつお節を例に取りましょう。普通の荒節(花かつおの原料)の水分量は18%~20%、 カビをつけて乾燥させた本枯節でも15%~16%ですから、良質のかつお節といえども、 そのままの状態で超微粒子にすること自体が困難です。そこで、粉だし用のかつお節は普通の節を 更に乾燥させた特注品を使っています。昆布で15%程度、椎茸で13%程度が良品の水分量のラインです。 ですから、これらの事前に更に乾燥をさせて超微粉に加工します。

昆布や乾椎茸には脂肪分が含まれていないので、クズでも超微粉になりますが・・・
昆布の切れ端は乾燥さえすれば簡単に超微粒子になりますから、安く作ろうと思えば何とかなります。 ただし、この手の昆布は往々にして保存状態が悪いので、粉になると、淡い緑色ではなく、灰色に仕上がる 傾向があります。これでは安物の原料を使っていると一目でわかってしまいます。赤く変色した昆布も ありますが、これらを粉にすると何色になるのか分かりませんが、淡い緑色にはならないと思います。

早い話が、 真っ当な原料 だから きな粉のようになめらかな超微粒子の粉 になるのです