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尾札部の浜で昆布漁を見てきました
2016年7月、昆布漁を見に、道南にある尾札部の浜を訪れました。
なんで尾札部かと言えば、私が一番好きな昆布だから。
7月17日に天然昆布漁解禁という事で、18日、19日、20日と
函館で過ごしましたが・・・
7月18日(月)
お昼に羽田を発ち、尾札部の浜に着いたのは午後3時すぎ。
どうやら、その日は漁に出なかったようで
尾札部の浜はひっそりしていた。
昆布を干している所を見つけました。
近くにいらっしゃったオバサマ曰く
「これは拾い」との事。
拾い昆布とは、船で採取する昆布ではなく
岩から剥がれて浜辺に打ち寄せられた昆布のこと。
「拾い」なんて聞くと、言葉の響きはイマイチですが
きちんと乾燥させれば立派な昆布になります。
尾札部の浜、道路の向こうは直ぐに山。
山に生えている木の葉は冬に落ち、その落ちた葉が腐葉土になります。そして、その腐葉土が海中に運ばれ養分となり、尾札部の昆布を育てます。
豊富な森林資源があるからこそ、尾札部の昆布から
しっかりとした甘いダシが出るのであります。
7月19日
朝4時半に起きて漁協に電話すると・・・
「今日、昆布取り、やります」だって。ラッキー!
急いで、函館市内から尾札部の浜に向かい、到着したのは6時。
やってました、昆布漁
肉眼に見るのは生まれて初めてであります。
天然昆布は岸の近くが漁場なんですね。
ちなみに養殖は、岸から500m~1000m
の沖合で行われてます。
一隻に3人で作業をしています。
動画を見ると、のんびり仕事しているように感じるかもしれませんが
海中から昆布を引き上げる作業は、かなりの重労働に違いない。
1時間近く見学をしていたのですが、やおら雨が降ってきた。
天気予報では翌日(20日)は晴れとの事だったので
「明日また来て、水揚げした昆布を干しているのを見学しましょう」
と朝ご飯を食べにホテルに戻ったのが運の尽き・・・
7月20日
なんと朝から小雨、最低です。
ダメもと、尾札部まで行ったのですが
漁に出た形跡は一切ない。
町はひっそり、どこにも昆布は干してなかった。
「あーあ、これなら昨日、もうちょっと浜にいれば良かった」
と思うモノの、後悔先に立たず。
夕方の便で東京に戻ったのであります。
今年の7月は、どうやら北海道は総じて
イマイチ天候が良くなかったようでして
19日に1時間ほどでしたが、昆布漁を見学できたのは
幸運だったかもしれません。
昆布漁の画像や映像は、何度となく見てきました。
舟の上には山盛りの昆布が積まれているイメージだったのですが・・・
尾札部の天然昆布漁
1時間近く眺めていたのですが
舟の上の昆布、なかなか積み上がりません。
もしかして天然昆布って絶対量が少ないの???
と思って、東京に帰ってから函館の取引先に聞いてみたのです。すると・・・
「 南茅部でとれる昆布は5千トンって言われているんですけど
天然はぜひぜい千トンだけですよ 」
ですって。
南茅部(みなみかやべ)とは、尾札部、川汲など
白口の真昆布がとれる浜がある地域でして
真昆布の代表的な産地
そこでとれる昆布の内、天然物は僅か2割
残りの8割は養殖なんですよ。
天然真昆布が少ないことを、あらためて実感した旅でした。
尾札部でとれた天然真昆布のお買い物
尾札部の天然真昆布を使ったダシパックのお買い物
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