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鰹節屋の昔話
第五十三 話
二代目店主 中野英二郎が語る、戦前から高度成長前夜にかけての、かつお節の話、魚河岸の話、築地界隈の話、東京の話などなど、四方山話を聴いてください
袖槍の廃止
袖槍については、生産者からも不明朗だとの声も出て来ましたが、私の店の様な仲卸の中にも、かなり出て来ました。
例えば戦後、槍が再開されたときから不渡りなし、つまり如何なる値がついても品物を渡すという取り決めで始ったとの事でしたが、問屋によっては、サクラの店に落とすとか、売り手有利に進められていました。尤も今の様に書き入札になっても、余り変わっていない様に思います。
当時私も袖槍の廃止に賛成した一人ですが、今にして思えば、手を触れ合う事で、駆け引きの趣というか風情があったのが、なくなって惜しい気がします。
其の後、暮の納会入札だけでも復活したらと声を掛けてみましたが、賛成が得られませんでした。三十余年たった今では袖槍経験者は現役業者では何人もいないのだと思います。