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鰹節屋の昔話

鰹節屋の昔話

三十五

 

二代目店主 中野英二郎が語る、戦前から高度成長前夜にかけての、かつお節の話、魚河岸の話、築地界隈の話、東京の話などなど、四方山話を聴いてください

鰹節の大きさとメーカー名

槍売り入札売買は勿論ですが、相対売買の場合も数量と鰹節の一本当りの大きさを言うのが基本です。 同じメーカーで同じ様な品質でも大きさによって値段が違うからです。この大きさのことを「頃合い」といっていました。

一本一枚の大きさをキロ建てになるまでは10貫目の入り数を言っていました。 一枚50匁の亀節は10貫200枚という訳です。

忙しい時は電話で、メーカー名と頃合いつまり入り数だけで商いが出来ました。

入札売りの時は品物を売る順番は品質の良いメーカー、 そして本節は60匁亀節は50匁から大きい順に並べて売れます。 時にはそのときに人気のある大きさから売ることもあります。

面白い店があって、入札の進行中に確認の為枚数を聞くといつも個数、個数を聞くと、枚数を云う店がありました。
人を惑わせるわけでも無いのでしょうが。

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