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鰹節屋の昔話
第十九 話
二代目店主 中野英二郎が語る、戦前から高度成長前夜にかけての、かつお節の話、魚河岸の話、築地界隈の話、東京の話などなど、四方山話を聴いてください
中山競馬場~つづき~競馬予想
呑み屋の入る店では競馬情報、予想は花盛りだったと思います。そしてそれは、ガセネタが多かった筈です。
その為もあってか、中山へ行くと決めた前の晩は大変。
大人は勿論、子供も兄弟4人集めて、タマ籤を作る。
出馬の数より一つ多く、一から順に数字を書いた紙を玉にして、残ったタマを開く。
その数字より、一つ兄、つまり、数の多いのが、一番、一つ弟、数の少ないのが、 二番と、兄、弟と順に決めてゆくやり方です。
今の様に予想紙などが出てなくて、今の日経、昔の中外商業日報の予想だけが頼りだったので、 やむを得なかったのかも知れませんが、父親は結構真剣でした。
こんな事で当たる筈はないのですが、当てた子供に何か呉れていました。
昔から籤運の悪い私ですから何も貰った覚えがありません。
その内、時節柄もあったか、競馬へ行くのも止めてしまったのは、結局損をしたからではと思います。