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鰹節屋の昔話
第十一 話
二代目店主 中野英二郎が語る、戦前から高度成長前夜にかけての、かつお節の話、魚河岸の話、築地界隈の話、東京の話などなど、四方山話を聴いてください
カフェー
氷屋の路地を入った処にカフエーがありました。今なんとかカフエと申すのと多少(?)違うのではと思います。
河岸へ入港して来た漁船の船頭たちの遊び場(?)だったのだと思います。
此の店には、電蓄(電気蓄音機)が置いてあったのです。この家にかなり年下で
何時までも乳首を銜えていた可愛い男の子が居てこの子とは仲良しでした。
昼間は営業していないので、薄暗い店のなかに入ると聊か異様な感じ、
折角の電蓄も子供用のレーコードはなく、友達の子供が流行歌を掛けると此処のお母さんが出て来て、
怒ったりしたものでしたが、私の母親にその子と余り遊ぶなと言われ、内緒で、行ったものでした。
その子の姉さんが可愛い子でして、其の家の二階にも上がったことのあるくらい
懇意だったのですが、商売のせいか、我家と同じく近所の親達に嫌われていた様で、
気の毒に他に友達が居ませんでした。
実は戦後同じ様な商売を隣町で始めたので、一応、飲み屋なので、
人を誘って一度だけ寄ってみたのですが、友達は居なくて、
恵美ちゃんという姉の方だけ母親と店に出ていましたが、残念ながら(?)もう覚えていて呉れませんでした。
この手の店はもう一軒隣の町にもあったのでしたが、今は両方ともありません。
もう一度、隣の店の番頭さんと、寄って見たら、近くの親父さんが独りで飲んでいるの
にビックリ、見つからない様に出て来ましたが、向こうは案外私たちに見つかっても平気
だったのかと出てきてから、話し合ったものでしたものでした。