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鰹節の伏高トップページ > 伏高コラム/レシピ > 鰹節屋のつぶやき > なんで伏高が健康食品っぽい杜仲茶なんて売るの???
なんで伏高が健康食品っぽい
杜仲茶なんて売るの???
唐突ではございますが、弊店、
この秋(2017年)から「因島杜仲焙煎抹茶」
(簡単に言えば杜仲茶)を販売いたします。
と聞くと、
「 杜仲茶って、飲むと痩せる健康食品でしょ!!!
なんで伏高が売るの??? 」
と思われる方が少なからず
いらっしゃると思います。
「 私、中野が見つけた、そして、私自身が
すごーく気に入った、そんじょそこらにない
真っ当な食材および食に関わる
道具や器などを販売する 」
これが弊店の通信販売の基本姿勢です。
確かにこの杜仲茶、私自身、
すごーく旨いとは思っていません。
(普通に美味しいと思ってますが・・・)
そんな私が、健康食品っぽい杜仲茶を
売ることに至ったのには訳があります。
御用とお急ぎがなければ、
ここから先をお読みください。
抹茶に加工した杜仲茶を製菓材料に使っているパティシエがいるそうな |
「 中野さん、杜仲茶を売ってください、
お願いします 」
と佐藤さんがサンプルを持って
弊店にやってきたのは
今年(2017年)の4月。
佐藤さんは、弊店の通販の販売管理ソフトを
特注で作っていただいた方。
その経歴は・・・
勤めていた化粧品会社が嫌になってやめ、
一時、得意のコンピュータープログラムを
生業にしていました。
15年くらい前のことです。
佐藤さんは現在、HEMUE(ヘミュー)という屋号でオリジナルの化粧品を製造、販売しています。 |
その頃に弊店の販売管理ソフトを
作っていただいたのです。
現在は、プログラマーを廃業して
化粧品業に復帰。
スキンケアをとことん
追求したくなったそうで、
自身で会社を立ち上げ
化粧品をつくっています。
有り難いことに、
化粧品屋に転業した今でも、
弊店の販売管理システムの
面倒をみてくれてます。
「佐藤さんなくしては、弊店の通販事業は
継続できない」
と言っても過言ではないほど、
弊店、いや私にとって重要人物。
普段、佐藤さんには私からのお願い事ばかり。
本業の合間を縫って、弊店のシステムの
手直しをしていただいております。
そんな佐藤さんのお願いを
無碍に断る訳にはいきません。
でも、健康食品を自分で販売すること
なんて、興味はない。
とりあえずいただいた
杜仲茶の粉を舐めてみた。
「 不味くはないけど、
とりたてて旨いって訳じゃない
それに、ウチは健康食品屋じゃないから 」
と正直に感想を伝えたんですが・・・
佐藤さん
杜仲の焙煎抹茶生キャラメル |
「 杜仲茶の粉をキャラメルに混ぜると、
ほんと旨いんですよ。
友達のパティシエにも使って
もらってますから立派な食材です
ご飯を炊いても抜群だし、
伏高さんが売るに値します」
と力説をする。
「 とにかく、家でお茶を飲んでみるから 」と
その場はおさめた。
茅ヶ崎からわざわざ来た佐藤さんを
そのまま帰す訳にはいきません。
話の続きをしましょうと、
一緒に飲みに行ったのであります。
すると佐藤さん、
因島の杜仲茶の素晴らしさについて語る語る。
佐藤さん、因島の杜仲茶の味だけでなく、
杜仲茶の製造家に惚れ込んでしまったらしい。
それほどまで佐藤さんが
思い入れを持っている杜仲茶、
なんとかウチでも売らねば、
そんな心持ちになってきたのです。
翌々日、いただいた杜仲茶を飲んでみた。
何を隠そう、人生で初の杜仲茶。
一口飲むと、すーっと喉を通ります。
杜仲茶は中国茶の仲間だと思っていた
私の第一印象は
「 ジャスミン茶、プーアール茶、
ウーロン茶よりもクセがなくて
飲みやすい 」です。
煎茶や紅茶よりも、さらーっとしてます。
逆に言うと、インパクトがない味わい。
正直な話、可もなく不可もなくであります。
再来年の秋には消費税が10%になり
複数税率が導入されると、
販売管理システムを大々的に佐藤さんに
手直ししてもらう必要があるので、
ここは佐藤さんに協力せねば、
という打算的な気持もある。
でも、健康食品は、どう考えても
伏高のラインナップには似合わない。
「さー、どうしよう」
困った私は現実逃避ですよ。
問題先送り、しばらく杜仲茶の事は
考えないことにしました。
その後、佐藤さんからメールが来たり、
杜仲茶を練り込んだ中華麺が届いたりと、
攻勢が続きました。
7月、もうこれ以上問題の先送りはできないと、
久々に杜仲茶を飲んでみた。
「お茶にしては甘みを感じる」と思ったものの、
どう販売するかイメージが湧きません。
そこで、とりあえず他社さんの杜仲茶を
ドラッグストアで買ってきました。
(ドラッグストアってところが、健康食品なんですよね)
市販の杜仲茶はティーパックばかり 最終的には4種類も買ってしまった |
A社、B社、C社のティーバック入りの杜仲茶です。
A社の杜仲茶、口に入れた瞬間にゲェーですよ。
もう薬って味です。
B社の杜仲茶は、薬っぽくなくて飲みやすいけど、
ほぼ味が感じられない。
極端に言えば、茶色い白湯であります。
C社の杜仲茶は、白湯ではなくお茶ですが、
なんとも味が頼りない。
因島杜仲茶に比べ、断然、甘みが少ないのですよ。
と飲み比べてみて、
因島杜仲茶は
「 そんじょそこらの杜仲茶とは違う
真っ当な杜仲茶 」
なんだと思ったのであります。
そこで、やっとやる気が出まして、
杜仲茶の事、色々と調べました。
最初に驚いたのは、
杜仲茶は中国茶ではなく、
日本発祥のお茶だったと言う事実。
元々、杜仲は漢方薬の材料として、
中国でその樹皮が利用されていたのですが、
葉はまったく使われていなかった。
杜仲の木が日本に輸入されたのは
1800年代前半。長らく樹皮が薬用として
利用されていたのです。
(養命酒にも杜仲の樹皮が使われているらしい)。
そして1980年代、杜仲の葉でお茶を作ろう
と考えた方が長野県にいらっしゃったようで、
1983年に杜仲の葉を焙煎し、
杜仲茶が誕生したのであります。
ですから杜仲茶は日本生まれ。
中国では、今でも杜仲茶は作られてません
(日本から輸出されてるらしい)。
1993年、杜仲茶が健康食品として
テレビに取り上げられました。
紹介された効能は
(1)内臓脂肪を落とす、
(2)血管を広げ、高血圧を防ぐ
(3)血流を良くして代謝を上げる、
(4)血糖値の上昇を緩やかにする、
(5)利尿を促しむくみを解消、
などなど。
てな訳で、杜仲茶は健康や美肌に役立つと
大ブームになりました。
杜仲茶の効能については、
色々な意見もあるかと思いますが、
1997年、血圧トクホの
第一号として認定されたのが
「杜仲120」という飲料だったそうですから、
それなりの効果は期待できるのでしょう。
もう一つ、杜仲茶はお茶なんだけど
カフェインが入ってないそうな。
だから、飲みやすいのかもしれません。
ダイエットの為に杜仲茶を飲むのではなく、
カフェインフリーのお茶を飲みたくて杜仲茶を
飲んでいる方も多々いらっしゃいるに違いありません。
さて、話が長くなりましたが、
ここからが本題です。
弊店は「真っ当の食材」を
標榜して商売をしているので、
「コレを食べると体に良いです」
なんて切り口で商品は販売しておりません。
しかしながら、「真っ当な食材」は、
きちんとした原料を使い、
昔ながらの製造方法で作られているので、
結果として、健康に結びつく食材でもあります。
事実、ご自身の健康を考えて、弊店の食材を
購入されているお客様も多数いらっしゃいます。
ですから、弊店のお客様の中でも、
ダイエットの為とか血圧を下げる目的で、
杜仲茶を飲んでいる方も
いらっしゃるに違いない。
そのような方に向けて、
薬っぽくない、「普通に美味しい杜仲茶」
を販売する事は、
弊店のポリシーに必ずしも反することではない
と考えました。
実は、ウチのカミさん、ダイエットオタクでして、
それこそ「痩せるお茶」なんて
自宅にアレコレありました。
興味本位で私も飲みましたが、
どれもこれも苦かったり、
クセがあったりで、旨くも何ともない。
健康食品だって、薬っぽいより
旨い方が誰だって喜ぶだろうし、
長続きすると思っています。
今回、「因島杜仲焙煎抹茶」を
販売するにあたり、
「コレを飲むと痩せます」なんて
謳おうなんて思ってません。
(私、3ヶ月近く、毎朝、
この杜仲茶を飲んでますが、
体重は増えはしないけど、
減りもしてないので)
弊店のお客様で、杜仲茶を飲んでいる、
あるいは飲んでみたいと
思ってらっしゃる方に向けて、
普通に美味しい「因島杜仲焙煎抹茶」を
飲んでみませんか
と提案する
こんなスタンスで杜仲茶を
販売する事にいたしました。
そして、日本発祥の杜仲茶が
日本のお茶文化の一部として普及する
きっかけとなれば、
それは意義があることだと思っています。
ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
因島杜仲焙煎抹茶(40g) |
さすがに、杜仲茶ですから、
弊店で取り扱っている
食材とは、ちょっと毛色が違います。
ですから、まずは来年の4月上旬までの
期間限定の取り扱いにいたします。
お客様から
「お茶として美味しく飲んでます」的な
好評をいただくようであれば、
時期をみて販売を
再開するつもりです。
佐藤さん曰く、
「 様々な人に試していただきましたが、
反応は両極端なんですよ
中野さんみたいなイマイチの反応が半分、
すごーく美味しいって人が半分です 」
との事。
まあ、お世辞もあるから、話半分にして、
すごーく美味しいって感じる人が1/4くらいは
いらっしゃるような気もします。
「普通に美味しい杜仲茶」を
ぜひ一度お試しください。
よろしく願い申し上げます。
築地仲卸 | 伏高 | 三代目店主 |
追伸:私の杜仲茶を紹介した佐藤さんから、こんなメッセージが届いております。
お時間があるときにメッセージの全文をお読みください。