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砂糖の製造にシーズンがあることを
ご存じですか?
砂糖の代表的な原料と言えば、サトウキビ
植物ですから、当然、収穫時期がございます。
世界各地の熱帯、亜熱帯地域で栽培されているサトウキビですから、
栽培地域、品種、植え付けにより異なります。
サトウキビは植え付けから収穫まで9ヶ月から18ヶ月の生育期間を要し、
乾燥期または低温期に収穫が行われます。
サトウキビを搾った汁から 『原料糖』を作ります |
北半球では11月から4月 南半球では6月から12月が、収穫期になる。
ちなみに、日本では12月から4月あたりです。
ココまで読んで素直に考えれば、
砂糖の製造シーズンは冬である、と思われるでしょうが、実際は、もう少し複雑です。
砂糖を取り扱うまで、私も知らなかったのですが
上白糖、三温糖、グラニュー糖などの市販されている砂糖の多くは、直接、サトウキビから作られるのではありません。
サトウキビは、先ず、原料糖(粗糖)と呼ばれるモノに加工されます。
そして、精糖会社は、その原料糖を仕入れ、
2次加工(精製)をして製品としての砂糖
(上白糖、グラニュー糖等々)が作られるのです。
ですから、その様に作られた砂糖には、原材料名として
サトウキビやテンサイではなく、原料糖と記されています。
製糖工場に在庫されている『原料糖』 |
つまるところ、市販の砂糖の多くは、需要を勘案しながら
その都度、精糖会社が原料糖を精製して作るので
季節を問わず製造されているのであります。
ちなみに、日本で使われている原料糖の約9割は
オーストラリア、タイ、南アフリカから輸入されています。
このあたりの話にご興味があれば、こちらをご覧ください。もう少し詳しい説明があります。
さて、ここからが本題です。
生産量全体の2割以下しかありませんが、
サトウキビやテンサイから、直接、
最終製品としての砂糖に加工されるモノもございます。
その代表例が沖縄の純黒糖
これはサトウキビの搾り汁を煮詰めて固めた砂糖です。
サトウキビは傷みやすい植物なので
刈り取ったら、
すぐに汁を搾り加工せねばなりません。
ですから、純黒糖が製造される時期はサトウキビの収穫期と一緒
つまり、毎年12月から4月までに1年分を製造せねばなりません。
ですから、沖縄の純黒糖製造にはシーズンがあるのです。
出来たてホヤホヤの黒糖 |
波照間島に見学に行った際、工場長さんから聞いたのですが
波照間の純黒糖の賞味期限は2年間ですが
時間の経過と共に風味は徐々に劣化するとのこと。
ですから、前シーズン製造の黒糖を
新物が出る直前まで売りたく無いじゃありませんか。
そこで、弊店では、毎年12月から1月にかけて
- メーカさんに残っている在庫の量
- サトウキビの生育状況
- 新物の供給開始時期
をメーカーさんに聞きまして
早ければ12月、遅くても2月には仕入をストップし
手持ちの黒糖が売り切れると販売を休止し、新物の入荷を待ちます。
ただ、製造シーズン突入と同時に、新物が手に入るわけではありません。
例年、12月の後半、遅くとも年明けには
製造シーズンに入るのですが、前シーズンに製造された黒糖が
一次問屋さんの倉庫から一掃されないと
なかなか、新物の黒糖は出荷をしてもらません。
ですから、新物が手に入る時期はマチマチでして
新物の入荷が4月になることもございます。
こんなシステムになっておりますので
弊店としても、
欠品の時間は、より短くしながらも
新物が市場に出回ってきたら
すぐにフレッシュな黒糖をお客様にお届けできるよう
端境期の仕入のタイミングを調整しております。
ですから、時として、1~2ヶ月欠品なることもありますが
これも、出来るだけフレッシュな黒糖をお届けする為の欠品ですので
ご容赦いただきたく存じます。
販売を休止する前には、事前に
新物の入荷時期も含め、お知らせしますので
必要に応じて、波照間の純黒糖をお買上げをいただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
築地仲卸 | 伏高 | 三代目店主 |