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素麺は、真夜中、延ばされる
今年(2001年)の3月、素麺の勉強をするために淡路島を訪れました。
素麺の作り方、主原料である小麦、歴史、流通など、様々な話を聴きました。知らないことだらけでしたので、 驚くこと、感心することが多々ありました。
中でも
「淡路島では真冬の真夜中に手延べをしている」
話に淡路島の職人の素麺に対する思い入れを一番感じました。
手延べ素麺は冬場に製造されます。
理由は、寒い方が麺の延びが良いからだそうです。
冬場の方が無理なく麺を延ばすことができるので、均一な麺に仕上がります。ですから、極細の素麺を作るには、 12月から2月の厳寒期、それも、真夜中の手延べ作業が一番適しています。
また、手延べ作業が終了してしてから 天日に干すまでの間、時間が空きすぎると、万有引力により、麺の細さにバラツキが生じます。 ですから、真夜中に延ばして夜明けと同時に天日で乾燥させる方法が、素麺のために、
最も、合理的な方法です(均一に極細な麺になります)。
淡路島の職人は、冬の間、夜は早く寝て 夜中の1時頃には起床します。午前二時から最終的な準備を始め、四時より、正真正銘、手作業による手延べを始めます。6時位にまでに2回延ばして、朝の7時より
第3回目、素麺の細さまで延ばしたら、太陽の下で素麺を干します。
古来より、素麺は冬場の農家や漁師の副業でした。
どこの産地でも厳寒期の夜中に納屋で職人が黙々と素麺を延ばしていたに違いありません。
何故なら、これが素麺にとってもっとも合理的な(良い素麺を作ることができる)製造方法 だからです。
時代が移り変わり現代になると、素麺の需要が増えたせいもあるのでしょうが、
人間にとって合理的な(都合の良い)製造方法に変わってきました。
淡路島から戻り、インターネットで素麺について調べてみると、
多くの産地で機械が導入され、人間の代わりに手延べ作業をしていることがわかりました(作業は日中にやっているようです)。
機械は人間のように融通が利きませんから、どうしても「機械に合わせた麺作り」に なってしまいます。
淡路島のように、職人の手でそれも真夜中に素麺を 延ばしている産地は本当に希少です。
生活のリズムさえ変えて、
「麺に合わせた麺作り」をしている産地が淡路島です。
淡路素麺 極細・中細はこちらから・・・