鰹節の伏高トップページ > 伏高コラム/レシピ > 鰹節屋のつぶやき > 賞味期限につての質問にお答えします
煮干の賞味期間は6ヶ月って書いてあるけど
なぜ平成22年産の煮干を販売できるのですか???
食品についての放射能の影響が心配されるようになり、販売している食材の製造履歴について分かる範囲で皆さまにお知らせするようにしたところ、このようなご質問をしばしば頂戴するようになりました。
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現在(平成23年12月)、平成22年秋に 製造された白口煮干を販売しています |
現在販売している「九十九里白口煮干」は平成22年秋に製造された煮干ですが、実際に今、弊店でお買上げをいただくと、お手元に届く白口煮干の賞味期限は約半年後になっているので、不思議に思われる方が沢山いらっしゃるのも無理ありません。
弊店で販売している、いわゆる「乾物」は、本来、きちんと管理されている状態に
置かれていれば、長期間の保存が可能な食材です。
煮干を例にとって説明しましょう。煮干の品質を劣化させる一番の原因は酸化です。
逆に言えば、酸化が許容範囲内であれば、商品として良品と言えます。
煮干は酸化に無防備なので、そのまま常温で保管すれば、それこそ短期間でダメになってしまいます。しかし、酸化防止剤を使い、その上、マイナス20℃の冷凍庫で保管すれば、酸化の速度が極めて遅くなるので、許容範囲内の品質に保つことが可能です。
業界では、この方式の保管により、少なくとも2年間は煮干の品質を保つことができると言われており、実際、弊店でも築地市場に入荷してから2年間保管した煮干を販売した経験があります(当然、まったく問題はございませんでした)。
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マイナス20℃の冷凍庫から出庫した 冷たい煮干を、 一晩かけて、常温に戻します |
では、実際にどのように煮干の賞味期限を設定しているかを説明します。
お客様に販売する袋詰めした煮干を作るにあたり、先ずは、マイナス20℃の冷凍庫から煮干を出庫します。
超低温状態の煮干を、即、袋詰めすると、袋の中で煮干が汗をかいてしまいます。
それを避けるために、一晩、常温で保管して、煮干の温度を冷凍前の状態に戻した後に袋詰めをします。
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良品の煮干であれば 常温に戻しても色が変わりません |
当然、袋詰めする前に、その煮干の品質が許容範囲内にある事を確認する作業を行います(ダメな煮干は、一晩置いた段階で、大きく変色します)。
袋詰めの際には、脱酸素剤を使用して、煮干の酸化を防ぎます。
そして、袋詰めを終え、しっかりと検品した時点で、その商品が完成。
その時を以て商品の製造日時とし、それから起算して180日後を賞味期限としてラベルに表示をしているのであります。
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脱酸素剤を使った気密包装で袋詰めし 酸化しにくい状態の煮干をお届けします |
かくして、平成22年秋に仕入れた九十九里白口煮干は、弊店で袋詰めをした日より180日後の賞味期限の商品となります。当然、その煮干が良品である事は言うまでもありません。
他の乾物についても同様です。保存食ですから適切な状態で保管をされていれば長期間に渡り品質を許容範囲内に収めることができます。
10月12日に放送されたNHKの「ためしてガッテン」は、「昆布を熟成させれば、より旨い昆布に仕上がる」こんなテーマでしたが、平成元年産の昆布(なんと22年前の昆布です)が紹介されておりました。
食品への放射能の影響をご心配されているお客様が多数いらっしゃいますので、出来る範囲で、3.11以前の原料から作られた食材を仕入れ、在庫をしております。詳しくは、こちらの一覧表をご参照いただきたく存じます。
平成19年産の昆布にしても、平成22年産の煮干、乾椎茸、昆布にしても、梅干にしても、弊社で適切な状態で保管をしておりますので、表示されている賞味期限内であれば、美味しく召し上がることができますので、ご安心ください。
築地仲卸 | 伏高 | 三代目店主 | ![]() |