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ダシそのものを売ることにしました
「 インスタントコーヒーの原材料は
コーヒー100%なのに
なぜ、鰹節100%のインスタントダシは
世の中に存在しないの? 」
この20年間、この疑問を持ち続けてます。
鰹節屋となって早いもので
30年経ちますが、
一般消費者様の鰹節離れ、
これが一番頭が痛い問題です。
弊店のお客様の多くは、日々、
きちんとダシをとっている
と思いますが、
世間の人々は違います。
ライフスタイルの変化が
原因なのでしょう、
きちんとダシを取る一般消費者様は減る一方。
と書くと、
「ダシパックが売れてるじゃない!」
とおっしゃるかも???
確かに、爆発的に売れているダシパック
はありますが・・・
どれも「酵母エキス」とか
「たんぱく加水分解物」と呼ばれる
化学調味料まがいの材料で
旨味を構成しているモノばかり。
これが酵母エキスです 舐めると・・・詳しくはこちらへ |
挙げ句の果てに
弊店の「かつお節と昆布だけで
作っただしパック」を
購入されたお客様から、
「伏高さんのダシパックは味が薄い」
と言われ肩身の狭い思いをしています。
( 化学的に生成した酵母エキスの味は
凄く濃いので、 比べたら
鰹節や昆布だけの味は、
そりゃー薄く感じます )
確かに、鰹節や昆布でダシをとるのは
時間がかかるし面倒だから、
今時のライフスタイルとは相容れない
食材なのかもしれません。
でも、だからといって、
「酵母エキス」やら「たんぱく加水分解物」
やら「アミノ酸」などなど
が作り出す旨味を
伝統的なダシの味だと
日本人が誤解してしまうのは、
鰹節屋としては、どうしても許せない。
というか、そうなりつつある状況は、
鰹節屋にとって敗北感しかありません。
そこで、冒頭の疑問が出てくるのです。
インスタントコーヒーの様に、
鰹節100%で作った
ダシのフリーズドライがあれば、
どんなに忙しい人だって、
無理なく伝統的な本物のダシの旨味を
味わえるじゃーないですか。
2018年11月、
大手食品メーカーの方と会った時、
このフリーズドライの話をしたら、
「中野さん、100%伝統的ダシ素材だけの
商品を作りたかったら、適任の方が
いますよ」
と、調味料メーカーのコンサルタントの方を
紹介していただきました。
その方との最初のミーティングの際、
「 鰹節と昆布でとったダシに
塩を入れてよろしければ、
常温で流通可能な商品が作れますよ 」
と教えてくれたのであります。
その時、
「そうだ、ダシそのものを売ろう」
と心に決め、
コンサルの方のご指導のもと半年、
実験を繰り返し、2019年秋
に販売を開始する予定だったのですが・・・
常温で流通させる「ダシそのもの」
を作る事は、予想以上に難しかった。
19年8月、販売開始をすべく作った
製品の一部に保存性の問題が生じ、
泣く泣く全量廃棄。
9月に再挑戦するも、再び失敗。
またもや廃棄。
全面的仕切り直しを余儀なくされた。
そこから一年半
レシピと製造工程を綿密に見直し
2021年4月、この度、新発売になる
保存性に問題無い「水仕込み 濃醇だし」が
ようやく出来上がったのであります。
「濃醇だし」は、
鰹節と昆布から水出しで
超濃厚なダシをとり、
常温で流通させるべく、
必要最低限の加熱をし、そして
必要最小限の海塩を加え
瓶詰めして出来上がります。
不織布に入れた大量の鰹節と昆布を大きい釜に入れて、水を注いで一晩水出しをします |
決してグラグラ沸騰させないので、
濃縮ダシでは一切ありません。
あくまで超濃厚なダシです。
塩が若干入っていますが、
15倍に薄めるだけで
真っ当なダシ汁が出来上がります。
ダシ取りは大切とは知っているけど、
手間を考えると、不本意ながら
顆粒だしを使ってしまう
暑い日は火を使いたくない
このような方に、手軽に本物のダシ汁を
使っていただくために
2年半以上もかけて製品化しました。
化学調味料やら酵母エキスやら
たんぱく加水分解物やらアミノ酸やら
が入っているヘンな食材は使いたくない!!!
でも、ダシを取るのは面倒で・・・
と思ってらっしゃる方に
お使いいただきたい「濃醇だし」です
手軽に、自然の旨味あふれる
真っ当なダシが味わえる
「濃醇だし」、ぜひ一度お試しください。
もし、味噌汁のレシピ動画をご覧になって、「確かに簡単で美味しそうだけど・・・材料代がお高いんじゃないの?」と思われたら、「実は経済的!」の動画をご覧ください。 |
築地仲卸 | 伏高 | 三代目店主 |