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鰹節は素晴らしいインスタント食品です鰹節屋のつぶやき
私がまだ学生だった頃、アメリカ人に鰹節の説明をしました
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「鰹節を削って、お湯に入れ、少したってから取り出すとおいしいスープができます」 と説明したのです。
するとアメリカ人は
「そんなに簡単においしいスープが作れるのならアメリカにその鰹節を輸出すれば売れること間違いなし。何たって、アメリカ人はインスタント食品が好きなんだ」
と言うのです。
言われてみるとご尤も。
西洋料理のスープストックは、肉やら野菜やらを長時間煮込まなくてはなりません。
その上、丁寧にアク取りまでする必要があります。中華料理のスープも同様です。
その点、鰹節は簡単じゃーないですか。お湯を沸かしている間に、鰹節を削り、沸騰したら火を止めて削り節を入れ、しばらく待ってから漉せば、アクもまったくない清澄なダシの出来上がり。慣れれば5~6分で完成ですよ。
その時、鰹節は昔の日本人が作り出した優れたインスタント食品であると 、つくずく思いました。 もっともその時は、「日本には化学の力を使ってもっと簡単に鰹節のようなスープがとれる和風調味料があるので、鰹節は もうインスタント食品ではないのです」と答えたのですが・・・
鰹節は普通のインスタント食品ではありません
鰹節は日本の加工食品の中でもっとも製造に手間がかかると言われています。 鰹節というとすぐに思い浮かぶ「本節」や「亀節」はほとんど手作業の工程で 半年以上の時間をかけ、「家内工業」で製造されています。
鰹節は製造家の数々の手作業の結果、素晴らしいダシがとれるインスタント食品となるのです。
それに対して、いわゆる和風調味料は、鰹以外の原料から、化学の力を借りて、 旨味成分を抽出します。それだけでは風味がもの足りないので、若干の鰹節を加えて製造する事もありますが、鰹節が作り出す自然の風味と同様なものは絶対に作り出せません。
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