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小野寺明子さん、御主人お客様の声
鎌倉市 江ノ電 稲村ヶ崎駅ちかくにお住まいの、小野寺さんご夫妻に、伏高の削り節の感想をくわしく聞きました。
※ 御主人は、「恥ずかしいから」ということで、写真撮影はパスになりました。
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(小野寺さんご一家について)
自宅近くの稲村ヶ崎の風景 |
小野寺さんご一家は、御主人、明子さん(35歳)、晴(はる)くん(7カ月)の三人家族です。御主人は東北の出身。15歳で上京し、現在は独立自営。明子さんは、埼玉県 幸手市の出身。2009年に御主人と職場で出会い、2年後に結婚した後、現在は専業主婦です。御主人の趣味はクルマ、明子さんの趣味は「人をお家に呼んでおしゃべりすること」とのことです。
― お二人が好きな和食を教えてください。
(明子さん):味噌汁と、お煮しめと、煮魚が好きです。これが我が家の基本の献立です。
(御主人):僕も味噌汁、煮しめ、煮魚が好きです。
■ 小さい頃は洋食ばかり。朝はトーストかコーンフレーク。 |
― 二人とも同じ献立が好きなんですね。
これは、わたしが旦那さんに影響されてるんです。
わたしの実家は、母が主に洋食を作る家庭で、朝はトーストかコーンフレーク、夜は鶏肉のトマト煮とかロールキャベツとか、そういう献立が多かったです。
もともと母は普通に和食好きでした。でも父が洋食好きだったので、それに合わせたんだと思います。父は、いま64歳ですが、ファーストフードも大好きで、よく一人でも出かけています。あの味付けや手軽さが好きみたいです。
というわけで、わたしは和食の味にそれほど慣れ親しまずに育ちました。
でも旦那さんは、わたしとは違って、小さい頃から和食だけ食べてきた人でした。和食にはすごく舌が肥えています。伏高でダシを買うようになったのも旦那さんの影響です。
― 御主人は、小さい頃は、どんな食べ物で育ってきたのですか?
僕は東北の出身で、毎日の食事は和食だけでした。
朝は、ご飯に味噌汁、おひたし、焼き魚。夜は、その四品にプラス煮物。週に一回だけ、胃を休めるためにうどん。外食はほとんどした記憶がありません。母は、祖母の教えどおり、毎朝5時に起きて、それが当然という顔でダシを取っていました。そういう家に育ったので、自然に和食を好むようになりました。
いちばん好きなのは和食ですが、洋食もべつに嫌いではありません。うまいと思うのは、スモークサーモンやオリーブ、あとグラタンやクリームシチューなどホワイトソース系の料理です。苦手なのは外食の中華料理で、あの味の素が強すぎる味付けがダメです。
(明子さん):わたしも薄味が好きなので、中華料理は苦手です。
― 明子さんは料理を作るのは好きですか。
今は好きです。でも昔は苦手だしキライでした。実家でもあまり台所の手伝いはしなかったです。ケーキやお菓子を作るのは好きでしたが。
― ケーキが作れれば、料理もできるような気もするのですが。
そうはいかないんですよー。ケーキやお菓子は、レシピ通りに量をはかって時間通りに焼けば、それなりに美味しくできます。でも料理は、もっと微妙な、ひとくち味見したときの「うん、この味!」という、そこの加減の感覚がつかめないと、美味しくできないんです。
近所のママ友とおしゃべり
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― 料理が好きになったのは何歳ぐらいからですか?
30歳くらいからです。地方都市で一人暮らしをしていたときに、友達が家に集まって、週に一回ホームパーティをしていて、そこでがんばって料理を出してみたら、「おいしいね」と褒められました。わたし、褒められると、調子に乗るタイプなんです。それからは本を読んで研究したりして、料理が好きになりました。
― その頃は、どんな料理を作っていたのですか。
やっぱり洋食です。パスタ、グラタン、ポタージュ、ポトフ、オーブン焼きなどでした。
料理が好きになってからは、外で食べておいしいと思ったら、レシピを調べて、家で自作するようになりました。好きなのはタイ料理で、タイカレーやヤムウンセンをよく作りました。
■ 「和食は作っても、おいしくなりませんでした…」
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― その頃は、和食はきらいだったのですか?
いえ、好きでした。もともと薄味が好きなので、外食でもよく食べていました。でも、家で作るとなると、一応、作れても、どうもおいしくなりません。洋食で育った私には、やっぱり味の加減が分からなかったのです。
― 御主人は自分で料理は作りますか。
(御主人): はい、一人暮らしの頃から料理はしていました。でも、やっぱり明子の方が料理が上手だし、台所は女性の持ち場だと思うので、結婚してからは、明子に任せています。
― 御主人は完全な和食派、だけど明子さんは洋食育ちで和食料理が苦手。結婚後、最初の頃の料理はどうしていたのですか。
わたしも、和食が作れるようにはなりたかったので、何とかがんばってみました。とはいえ作り付けていないので、勝手が分かりません。「なめたけと大根おろし混ざってたらとりあえずOK?」、「椎茸入れたら和風?」、「醤油かけたら何とかなるかな?」みたいなかんじで創作料理に走っていました。
(御主人):明子の創作料理は、ダシの味こそしないものの、基本は薄味で、体には悪そうじゃないし、とりあえずは、ま、いいかと思いました。 ただ「和風の味のロールキャベツ」、「煮染まりが不十分な、今イチな煮しめ」、「オーブンで焼いた焼き魚」など、和風もどきの料理が続くので、これは何とかしてもらわないとと思っていました。
― 御主人、厳しいですね。
(明子さん):はい、厳しいですよー。でも、旦那さんの言うことはもっともだし、美味しいと言ってほしいし、わたし自身も和食料理が上手になりたかったです。旦那さんによれば、「和食はダシが基本だ。ダシを美味く取らないと和食にならない」ということだったので、まずはダシを強化することにしました。
― 「ダシに目覚めて」、まず何をしましたか。
そのとき考えたことは、何とか、おいしい粉末ダシを探せないものかということでした。粉末ダシであっても、もっと良い物を使えば、今までと同じ手間で、だけど夫には満足してもらえるかもと思ったのです。スーパーで買う粉末ダシを、今までの298円のものから598円のものに、グレードアップしてみました。
でも旦那さんには、「これ、ダシじゃないよね、単なるグルタミン酸だよね」とダメだしされ、撃沈しました。
― 粉末ダシを使うのではなく、自分でダシを取ることは考えましたか。
(明子さん):正直、それだけは避けたかったです。私にとって、「ダシを取る」という仕事は、小さい頃に見た、おばあちゃんがにぼしのでっかいのを前の晩から鍋で煮て用意したりとか、朝から鰹節を削ったりという、「難しい、大変、めんどう」というイメージだったのです。そこまでやれば、おいしくなるのは分かります。でも、わたしには絶対ムリ。できない!と思っていました。
■ 「旦那さんが伏高を見つけてきてくれました。でも…」 |
― そんな明子さんが、なぜ伏高の削り節を使うようになったのでしょうか。
(明子さん): 伏高は、旦那さんが見つけてきたんです。
― 御主人は、どこで伏高のことを知ったのですか。
(御主人): 仕事関係の知り合いからの紹介です。毎週、築地に魚や肉を仕入に行く方がいて、鰹節だったら伏高がいいよと勧めてくださいました。
さっそく、明子に「伏高、どう」と聞いてみましたが、最初は抵抗されました。
まず、さっき明子から話があったダシとるのがめんどくさいアレルギー、そして「値段の高さ」の二点で受け入れにくかったようです。
(明子さん):スーパーの高級粉末ダシより、さらに高かったので…
(御主人):僕から見ると、良いダシがそれぐらいの値段がするのは、職人への対価、敬意として当然のことに思えました。しかし、明子にとっては、毎日使うものの値段が上がることには抵抗感があったようです。
― そんな明子さんが、最後は伏高の削り節を使うことを受け入れた理由は何ですか
(明子さん):まず値段のことについては、旦那さんが、「じゃあ、ダシが高くなる分の差額は、オレが出すから」と言ってくれて、それで解決しました。
(御主人): 毎日の食事を美味しくするのは大事なことです。「醤油、味噌、ダシは旦那支給で」ということにさせてもらいました。
(明子さん): もう一つの「ダシ取るのめんどくさい」については、旦那さんから「いいか、よく聞け」と話があって、それからは抵抗感がなくなりました。
■ 「旦那さんのひとことで気持ちが変わりました!」 |
― 御主人は、どんな話をしたのでしょうか。
(御主人):その時は、「子どもが大きくなったとき、やっぱり家のご飯、かあちゃんが作るご飯がいちばん美味しいって言われたいだろ。そのとき、子どもが好きなのがタイ料理とかでいいのか? やっぱり和食、ご飯と味噌汁だろ」と伝えて、それで納得してもらえました。
(明子さん): 「子どもが大きくなったとき、かあちゃんのご飯がいちばん美味しいって言われたいだろ」の一言は響きました。うん、言われたい、よし、ダシを自分で取る!という気持ちになれました。
(御主人): 僕としては、食育を考えても、家庭料理は和食中心にしたかったので、明子がやる気を出してくれて嬉しかったです。
― 「食育を考えても」とは具体的には。
(御主人):仕事柄、いろいろな方の家庭を垣間見ることが多いのですが、食育に気をつけて、子どもが幼い頃から良い和食を食べることが習慣づいている家では、子どもが大きくなったとき、ごく自然にスナック菓子などを好まないんです。おやつといえば、ふかし芋だったり、おにぎりだったり、親が強制しなくても、ごく自然に、そういう「まともな食べ物」を好むようになっていました。
(明子さん): 病院でも、「授乳中は和食を食べた方が良いですよ」と言われていましたし、余計にやる気が出ました。さっそく、旦那さんから推薦があった伏高の「色々な削り8種類の詰め合わせ」をお試し購入してみました。
この詰め合わせは、和食ビギナーのわたしには、とてもありがたかったです。
― 詰め合わせは、どのように良かったのでしょうか。
詰め合わせだったので、いろいろな味が試せました。そうか、同じレシピでも、ダシが変われば味が変わるのかと、自分で調理してみて、実感できました。いくつかのダシを試す中で、わたしと旦那さんが、「これは美味い!」と共通して思える削り節が見つかりました。
今までわたしが和食を作る上で障壁だった「この味!が自分の中で確立されていない」という弱点がついに解消されました。和食はこれでいいんだ!という味の加減がついに分かりました。
「ダシ取るの、私にはムリ」という抵抗感も、やってみて解消しました。ダシを取ることは、もちろん粉末ダシを使うことより手間はかかりますが、でもその手間は思っていたよりはずっと小さかったのです。
■ 「ダシは、思っていたよりは面倒じゃなかったです」 |
小野寺家の基本の朝ごはん
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― 「ダシを取ることは、思っていたほど面倒じゃなかった」とは具体的には?
今は毎日6時前に起きて、20分~30分かけて朝食を作っていますが(※)、そのうち、ダシ取りにかけている時間は、水を測って沸かしてから濾すまでで、10分程度です。
もちろん粉末ダシの頃より一手間は増えています。でも10分ですし、ぜんぜんOKです。
わたしは、ダシ取りに対し、「朝5時起きでとりかかる、大変な作業」というイメージを持っていました。でも、よく考えてみると、わたしのおばあちゃんも、旦那さんのお母様も、いちばん最初にやっていたのがダシ取りというだけで、何もダシ取りだけに30分も一時間もかけていたわけではありませんでした。
今までダシ取りを敬遠していたのは、イメージで思い込んでいただけだと気がつきました。
※ 朝ご飯のお味噌汁は、夜寝る前に作ることが多いです。ダシを取る回数は、晩だけの1回か朝晩の2回のどちらかです。 |
― 伏高でダシを取るようになってから、御主人の食べっぷりはいかがですか。
すごく変わりました。
ウチは食事を出すと旦那さんの採点があるんです。むかし和食もどきを作っていたときは、四品出したときでも、「これ1位、これ2位、これとこれは、うーん、圏外」とダメ出しされて、しょぼーんとしていました。でも、最近は、なんの順位付けもなしに、ひとこと、「うまい!」と言って、パクパク食べてくれます。とても嬉しいです。
伏高のダシは、生後7ヶ月の晴(はる)の離乳食のおかゆにも、入れるようにしています。
(御主人): ダシが入ってるのと入ってないのとで、食べるときの晴(はる)の顔がぜんぜん違うよね。
(明子さん): そうなんですよね。ダシが入っているときの方が、あからさまにおいしそうなんです。いいかんじです。
― 料理を作る側の明子さんには、変化はありましたか。
ありました。
まず単純に、自分の料理がすごくおいしくなりました。伏高の削り節セットを初めて買ったのが2012年の10月だから、まだ使い始めて半年くらいなんですけど、和食に厳しい主人がおいしいって言ってくれるし、わたしも自分で食べておいしいと思います。
この半年で、わたしの料理の腕前が急に上がったわけではないので、変わったのはダシだけです。「和食はダシで決まる」ということを実感しました。
わたしの味覚も変わりました。主人が出張して一人のときに、前に買った高級粉末ダシがまだ残っていて、もったいなかったので、それを使って味噌汁を作ったんです。でも、一口飲んで、「おいしくない…」と思いました。「おー、わたし、味が分かる。わたしの舌にもついに和食が身についた!」と嬉しくなりました。
今は、和食がいちばん好きです。埼玉の実家に帰るときは、「お母さん、わたしが作るから」と言って、いつもの味噌汁、煮しめなどを作っています。
わたしが作った和食を食べた母が、「明子の旦那さんは、こういう味が、すきなのね…」と言っていたのが印象に残っています。
小野寺家では、伏高の削り節を、ダシ取りに使ったあとも、さまざまな形で無駄なく活用しています。ここでは、その活用方法をご紹介します。
1.ダシを取った後のダシがらを、冷蔵庫に保管しておくと、何かと便利 |
- 挽肉に混ぜる
椎茸やピーマンの肉詰めを作るときに、このダシがらを混ぜ込みます。風味も良くなるし、挽肉のかさ増しになるので、経済的です。
- ふりかけにする
ダシがらを醤油で焦がして煎ると、ふりかけになります。あつあつのご飯にかけて、おいしくいただきます。
- 餃子に混ぜ込む
わたしも夫も中華料理が苦手なのですが、餃子だけは二人とも大好きで、家でも良く作ります。具の中に削り節のダシがらをたっぷり混ぜ込むと、とても美味しい餃子ができます。
- 糧飯(かてめし)
御主人によれば、東北の一部では、糧飯(かてめし)といって、お米に大根の葉っぱなど色々と混ぜ込んだ混ぜご飯を、主食として食べていたそうです。ウチでもこの糧飯をときどき作りますが、中にダシがらを混ぜ込むと、とてもおいしくなります。
- 調味料として
乾煎りしたダシがらは、どんな料理にも、パッパッとふりかければ、調味料代わりにできます。便利です。
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ダシを取って作ったお煮しめの煮汁の活用 |
- 炊き込みご飯の元にする
煮しめを作る場合、中身を全部食べても、残った汁はおいしいので何回も使います。でも、やはり繰り返しは3回が限度で、それを越えると焦げっぽい匂いがして、煮しめには向かなくなります。ところが、この焦げっぽい残り汁を冷凍庫で保存しておいて、後でそれを使って炊き込みご飯を作ると、今度は焦げっぽさがかえって風味になって、美味しい炊き込みご飯ができあがります。
- 鍋料理の調味料にする
鍋料理を作るときに、冷凍庫に保存した、煮しめの残り汁を入れると、風味が増します。
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― いちど使った削り節を使い尽くしていますね。
(御主人): 明子はもったいない精神が旺盛な、いい奥さんで、なんでも最後まで使い切ってくれます。ウチでは削り節を捨てたことはないですね。必ず、何らかの形で食べきっています。
(明子さん):伏高は、粉末ダシに比べて値段が高いのが気がかりでしたが、これだけ使い回しが効くようだと、トータルの出費は前と変わりません。むしろ安くなっているかもしれないです。
― いま、粉末ダシをやめて、本当の削り節を使おうかどうしようかと迷っている人に、「先輩ユーザー」としてアドバイスなどあればお聞かせください。
(明子さん): 粉末ダシをやめて、削り節を使うのに、一歩が踏み出せない気持ちは、かつてのわたしがそうだったので、よくわかります。
でもやってみると分かるのですが、削り節で出汁を取るのは、それほど面倒なことではありません。10分で終わります。
― しかし、朝の忙しい時間の毎日10分はけっして短い時間ではないという考えもあります。
うーん、そう言われるとそうですね。でも、10分といっても7~8分はお湯を沸かしたり煮出しているだけなので他の作業もできますよ。やっぱり私はもう粉末ダシは使いたくありません。だって、ダシをちゃんと取れば、和食のお料理の【全部が】おいしくなりますから。
手間ひま抜いて旦那さんにダメだしされるより、一日10分かけて、旦那さんも子供もパクパク食べてくれるようなご飯が作れる方が絶対いいです。
ダシは和食の基本なので、これをよくすると、どんな和食を作っても、わたしって、お料理上手かもと思えるようになれます。
(御主人): 明子は、料理は好きだけど、和食の素養はほとんどゼロという状態から始めました。それが伏高を使い出しただけで、みるみるうちに「ちゃんとした和食の味」が出せるようになったわけで、やっぱり和食はダシなんだなと、僕も改めて実感しました。
伏高さん、僕は、晴(はる)が大きくなったら絶対に「かあちゃんのご飯がいちばん美味い!」と言ってほしいです。そのためにも、これからも美味しい削り節を作り続けて、明子を助けてあげてください。よろしくお願いします。
(明子さん): わたしも頼りにしてます!
※ 取材日時 2013年2月
※ 文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※ 取材制作:カスタマワイズ
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