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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2012 年2 月17 日
寒すぎます。東京都心で氷点下一度の朝が続く。その一番寒い時間に出勤。完全武装して玄関を開けると、顔がピリピリ、結露した水がダラダラと外廊下に流れてます。我が家だけ。猫達にせめて暖かい部屋でぬくぬくと過ごさせたいと、赤外線ヒーターを新調して夜中つけっぱなしなので、余計、水の量が多い。光熱費の請求額を見るのが恐ろしい。
先の日曜日、上野の国立博物館「北京故宮博物院二百選展」に行ったが、正門前はすでに人混み。係員が拡声器で「ただ今、一時間待ちでーす」と叫んでいる。即、引き返した。
三日後の市場の休みに再び出発。自宅を出て、大江戸線勝ちどき駅へ歩く。黎明橋を渡って坂道を下りきった時、「世界チーズ、立派なビルになったわねぇ?」とうちのやつ。右手の新築ビルを仰ぎ見た時だった。グワーンと股間に何かが激突。一瞬、頭が真っ白。脇道の入口に立つ車両進入防止の鉄柱だった。何事もなかった様、平静を装って歩き続けた。
博物館平成館に到着。エスカレーターで本会場へ。中に入ってびっくり。ガラスケースの前はびっしりの人の列。歩みはのろい。最初の部屋は『書跡』、そしてメインの『清明上河図』。北宋の都、開封の街の光景を全長五メートル、縦二十四センチの画巻に描いたもので、一級文物(国宝)のさらに上のランク『神品』とか。この絵は、台北の故宮博物院で清代の模倣画を見たけど、これがオリジナルだった。海外初出展の、この本物は昨日をもって展示終了。残念。レプリカながら、その細密に生き生きと活写した世界は神業と思える。
最後の展示室が、清朝最盛期、乾隆帝の居間、書斎、『三希堂』を再現した部屋。広大は紫禁城の中で、茶室程の空間が寛ぎの場だったとは。乾隆帝の特大の肖像画に見とれてた時、下半身、急所の上部がシクシクし始めた。ヤバイかも。急いで帰宅する。
トリトンの薬局で湿布薬を買う。帰るや否や、幹部を見ると急所の上が青く腫れている。この時ほど、足が短くて助かったと思った事はない。あと数センチで急所直撃でしたから。お気を付け下さい。あの鉄柱、以前も自宅前で自転車で激突しましたから。ただ単に注意力が散漫なだけかも。