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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2011 年2 月18 日
連日のカッラカラの天気です。気が付けば部屋の湿度は20%を切っている。洗濯物の室内干し。バスタブにお湯を張りっぱなしにして浴室のドアを開けっぱなしにしても足りない。今年の乾燥は手強い。
築地の店頭の削り節もパリパリ。強く揉めばたちまち粉となりそうな程。それでも粉っぽい削り節はお客様に失礼ですから、しょっちゅう篩に入れ振り振り。粉の山。お陰様で、左手の親指の捻挫がちっとも治りません。湿布を貼ろうにも、あの強烈なニオイが削り節に移ってはと我慢。
去年の長い猛暑と、この冬の厳寒はラニーニャ現象によるものだとか。スペイン語でエルニーニョは男の子、ラニーニャは女の子の意味だそうです。世界中の気候を滅茶苦茶にするとは、ちっとも可愛げの無い子供達です。イタズラの度が過ぎる。
異常気象で世界中、農作物の不作。小麦、トウモロコシ、砂糖、コーヒーなどの値上がりが始まった。2008年の食糧危機の再来か。チュニジアから始まった暴動も、食料品やガソリンの高騰が後押ししたとのニュース。リーマンショックで影を潜めた投機家達が、オイルに食料に投機を再開。高騰に拍車がかかる。十三億人の中国が地球の食糧を金に糸目を付けずに買い漁る。
今年の築地市場の初競りで、過去最高の三千二百四十九万円でマグロを競り落とした香港の寿司チェーン店。ワインもフランスのシャトウまるごと買いに走る。一人あたりの肉消費量が日本人を追い越した中国人。肉一キロの生産に必要な穀物七キロを賄うために、大豆、トウモロコシを買いまくり備蓄。食糧自給率40%の日本が、食生活が向上して食糧輸出国から輸入国に変わった中国に「買い負け」している、食糧が高騰するばかりだ。
そうなればなったで、何とか難局を切り抜ける事が出来るのが日本人だと思うのですが、もちろん日本全員が一丸となって、知恵を出し合い、毅然とした首相、政治家がリーダーシップを発揮するという大前提があればですが。現職の空き缶首相では心許ないばかりです。子供手当四兆五千億円の財源がないから消費税を上げる。消費税を上げて一番困るのは、子供手当が必要な世帯。
先週の日曜日、イオン東雲店に毛布を買いに行った。遠回りしてウォーキング。イオンに近づき、眼の前に新築のタワーマンションが現れた。この辺りに次々と屹立するタワーマンションに比べても遜色のない豪華さ。ここは、事業仕分けの対象になっていた公務員住宅の予定地だった筈なのに。まさか!! いつの間にか、素早い!! 家賃がいくらくらいか気になって調べると、周辺の新築タワーマンション家賃の五分の一の3LDK四万四千円。ぶったまげた。毎月、二十万円のボーナスをもらっているのと同じ。公務員天国。国は借金地獄だというのに。倒産間近な会社が豪華な社宅を新築するってか!! ど頭に来る。しばらくしてこんな事を羨む自分が情けなくなり、空しくなる。所詮、犬ならぬ、黒猫の遠吠えですから。ふあっー。