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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2004 年6 月25 日
新聞に載っていましたが、韓国の生ゴミギョウザ(マントウ)事件をきっかけに主婦達の間に料理学校に通う人達が増えたそうです。
マントウは子供達のおやつ代わりにもっぱらよく食されている様で、不安を感じた親が自分で一から具材を
吟味して調理したいと思うのはもっともな事です。
その一方で日本で学んでいる韓国人留学生のほとんどが小さなポリバケツを買ってきて
下宿でキムチを作っているそうです。というのは、日本のキムチは業務用の「キムチ漬け液」
に赤い色素と唐辛子の粉、化学調味料、ニンニクなどを入れ白菜をただ漬けるものが大半で
発酵させたものではないからです。
発酵していれば風味は豊かですし、なにより発酵菌で腐敗菌はやられてしまうので安心だと
言うのです。親元を離れて改めて自分の体に流れる食の伝統を受け継ぐDNAが目ざめるのかも
しれません。
ちなみに日本の漬物の売上第一位がキムチだそうです。驚きますね。
日本には糠漬があります。かつての日本の食卓の上には必ず有りました。糠漬も発酵食品です。
よく考えれば食卓の上は発酵食品ばかりです。ご飯以外は。味噌汁の味噌、そのだしを取るのは
鰹節、醤油そして納豆、漬物、等々。
自分達家族の食事は自分たちの手に取り戻してみようと考えるキッカケを韓国の事件は
おしえてくれる気がします。