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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2009 年1 月23 日
新年明けましておめでとうございます。厳しい丑年になりそうですが、ぐっと我慢するしかなさそうです。
今年も帰省しました。愚図々々してた所為で帰省切符を取るのに一苦労。田舎から「切符取っただかえ?」と訊かれ、慌てて、いつも利用する旅行社に走るが、カウンターで「海外旅行の取扱のみになります」と笑顔で言われ、気付いた。室内はスッキリと豪華なラウンジに変身している。「こんなご時世に海外旅行もないもんだ」と愚痴る。
ネットで予約状況をみると、航空便も新幹線も特急も満席の×印ばかり、即、田舎に電話。「自由席で帰れば」と他人事。「乗車率100%以上の電車なんぞ御免だ、帰らん!!」とむくれると、「JRに友達がおるけえ」と。しばらくして「スーパーはくとは取れんけど、スーパーいなばとひかりが取れるけえ」との返事。「まったく愚図なんだけえ」との最後の一言は余計だ。でも、ほっとした。
今年の初詣は大黒さまの出雲大社に参拝です。 正月三日目ですが初詣客でごった返す参道を、三つの鳥居をくぐり、拝殿へ。出雲大社の参拝の仕方は、他の神社と異なり、二礼四拍手一礼。事前の予習で、皆無事終了。
拝殿の裏に回ると、国宝御本殿の千木が突きでた屋根が、手前の八足門の上にちらりとのぞく。その門の前の地面に三つの円が描かれている。「ここがそうか」、平成二十年の発掘調査で平安期の神殿の柱の根本部分が三本出てきた。
三本を束ねた柱の直径約三メートル。平安期に東大寺大仏殿より大きい日本一の神殿だと書かれた本の記述が本当だと判った。その三本の柱を束ねた巨柱の模型が再現され、私は見上げながら、古の壮大な神殿を想像する。至福の時から醒めると、独りぼっち。
居ました居ました、皆が社務所の前でニタニタとおみくじを読んでます。「早う引けば、ここのは吉も凶も書いてないだぜ」。書かれている有難いお言葉は何故か心当たりが。いい御土産になった。