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黒川 春男

築地の風景

by 築地本店店長、黒川春男

2004 20

築地場内も今月初めの連休に店舗の配置替えがあり、リニューアルされました。真新しい看板が まぶしい程で明るくなりました。

築地は卸売市場なのですが、卸と云っても、大卸(地方からの食材を仲卸に販売)と仲卸 (大卸から買った食材を近所の魚屋さんや板前さんに販売)があり、配置替えをしたのは 仲卸さん達だけです。そうは言っても店舗数は半端な数ではなくそれこそ大移動ですから、 テレビの夕方のニュースにもなりました。

端から端へ大きく移動した店も多く、行きつけの店を探すのにお客様は汗だくです。 慣れるまで仕入れに通常の倍近く時間がかかるとグチがでます。これを機に廃業した店も 50軒程あると聞きました。さびしい限りです。

さびしいと言えば、築地市場ができて70年近く綿々と続いてきた築地の風景もあと 10年近くでなくなります。6年後に最後の店舗替えがありその後、豊洲地区へ市場自体が 大移動する計画は決まっています。豊洲へ移動すれば大規模で清潔で近代的な市場となるのでしょうが、 この手狭で雑然とした築地が都心になくなるのは残念です。移転後の寂しい築地の風景は想像できません。

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