鰹節の伏高トップページ伏高コラム/レシピ築地の風景

黒川 春男

築地の風景

by 築地本店店長、黒川春男

2008 19

先月、夏休みをもらって鳥取に帰省しました。毎年たのしみにしているドライブ旅行は取り止めです。到着した駅から実家に向かう途中で、ここはガソリン1L180円、ここは5円安いと、どのスタンドで給油するかで揉めます。こんなんじゃ、ガソリン代が気になって、落ち落ち旅行もしていられません。という訳で、県内のひなびた温泉で一泊と超節約コースと相成りました。

 

しかし、そんな、ひなびた旅館でも、妹達は朝のNHK連続テレビ小説『瞳』を見逃しません。この朝ドラの時間は仕事中ですから、まともに観たことはなかったのですが、このドラマ、佃、月島、築地が舞台だと知っていました。月島の西仲商店街のあちらこちらに『瞳』のポスターが貼り付けれていましたから。そのヒロインにぞっこんなのが、隣に住む勇蔵。勇蔵を演じる役者ヤスケンにぞっこんなのが、私の妹とその娘だったのです。勇蔵とその父(前田吟)の家業が鰹節屋『石田商店』。築地場外の鰹節仲卸との設定です。

 

テレビに映る店のセットを見て驚き桃の木山椒の木、伏高そっくり。店前での客の呼び込みはちと大げさですが、店構えは、店先に並ぶ鰹節の入った木箱といい、イケメン揃いの所といい(冗談)まさか、店のモデルはうち? いいえ、モデルは同じ場外の鰹節店、秋山商店さんでした。私も、もしかしたらと思った位だから、伏高の前を通る人も間違える。「ここが石田商店なの?」と訊くおじさんも何人かいます。

 

その勇蔵さんの定番アイテムが背中に『喝雄武士』と刺繍されたジャンバー(今は夏用のベスト)と鰹のイラスト入りのTシャツ。築地も様変わりして、以前は白衣や軍手を売っていた店が、勇蔵さんテイストの魚漢字Tシャツ、前掛け、浮世絵Tシャツといった観光客が喜びそうな築地グッズで景気が良さそうです。伏高も、先々、鰹節味の中華饅頭とか、鰹の携帯ストラップを店先で・・・。やめときます、考えただけで身震いが・・・。

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