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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2008 年2 月22 日
今年は薩摩が熱くなりそうだ。NHKの大河ドラマ『篤姫』が放映開始した。この篤姫が育ったのが薩摩半島の東南端、指宿の今和泉島津家。その同じ指宿市山川と電車で一時間ほど先の終点枕崎市とで、全国の約七割の鰹節を生産しています。古くは三代将軍家光の頃(寛永年間)に誕生した薩摩節は、もちろん幕末にも薩摩藩の財政を潤し、篤姫も江戸へ嫁ぐ時には持参したとか。
かなり以前になりますが、伏高の社員旅行で、山川と枕崎を訪れました。鰹節製造工場を何カ所か廻り、作業場を案内してもらいました。鰹を煮熟する煮釜から立ち上がる蒸気と強烈な臭いが印象に残っています。正直きれいな仕事じゃありません。根気と忍耐がなければ、勤まりません。
昨日の早朝、突然、枕崎・山川の鰹節生産者の一団が、築地に挨拶にみえた。築地市場見学の途中の若き跡継ぎ達だった。元気印ばかりで、たのもしい限り。後継者不足と聞いていたが、まだまだ大丈夫かなと安心。「ほんのこつ有りがたか、ちぇすといけ(ガンバレ)青年団」と声を掛けたくなった。ドラマ『篤姫』の登場人物が喋る薩摩弁が、なんともいい味を出している。侍言葉もなぜか今時新鮮でいい。
正月に帰省した時、中学一年の姪っ子にお年玉をあげた時、姪っ子「かたじけなく候」とのたまう。「なんじゃ、それ」とよくよく聞くと、少年ジャンプに連載中の漫画『銀魂』にはまってから幕末の歴史オタクになったとか。子供でさえ、佐幕・勤王にかかわらず、激動の時代を駆け抜けた青春群像に魅せられるのか、と勝手に独り合点。 私心を捨て、命を賭けて生きている日本人が確かにいた。あいがとうごわす、せごどん。ちぇすといけ日本。