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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2004 年4 月23 日
いきなりですが、ある郷土料理店のお客様に四月いっぱいで店をたたむと云われ驚きました。二十数年やってらしたのですが
常連さんも高齢となり客層が様変わりしていったそうです。
若い人達は味が良いというより、「安い」か「小洒落た内装」に関心があるとおっしゃるのです。
ファーストフードで育った年代の味覚は料理店経営者の仕事への意欲を失わせたのです。
最近、「食育」という言葉が新聞やテレビで取り上げられ、子供達に本物の食材を食べさせて、
味覚を育てるという試みが全国で始まったのですが、遅すぎたのでしょう。
ここ築地の店先にはその影響が現れています。全国からその地方の気候や土にあった食材で
あふれています。大小、色様々なダイコンやニンジン、赤・黒・紫色の伝統的な米など、
スーパーで売られている画一的で見た目ばかりの味わいのない野菜とは違い、それぞれ
個性的な面構えのものばかりです。
皆様、一度ご覧ください。見ているだけで心豊かになれる気がします。