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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2006 年9 月22 日
夏休みをもらい、亡くなった母の看病を、長年、任せてきた父を労おうと、妹家族共々、湯布院、内牧、黒川温泉と九州の温泉巡りをしてきました。十年に一回の大奮発です。
回りの人達から、妻に先立たれてた夫は急にしょぼくれるからと心配された事もあり、十年ぶりに親孝行息子を演じるのも、まあいいかと思ったからです。
父はしょぼくれるどころか、旅行中、旅館の仲居さんをつかまえては、冗談を連発。仕舞には鼻血まで出す始末。心配して損したと皆で大笑いです。
ところで、期待した湯布院では、私たちが泊まった宿は郊外にあり静閑として落ち着けましたが、街中は団体客や若者で芋の子を洗うよう。土産物屋が林立して、プチ原宿状態。NHKの朝の連ドラ『風のハルカ』放映以後、大人の湯治場ではなくなった様です。
内牧温泉も今ひとつで、黒川温泉に最後の期待がかかります。
本当に正解でした。山深い緑一面の谷間に、古民家の町並みが連なり、それぞれ個性的な造作も、全体として統一感があり、上質のテーマパークに入った様でした。露天風呂から見る風景良し、硫黄のほのかに香るお湯良し、湯量良し、食事良しの文句なしです。
ここに全泊すれば良かったと後悔しながら、先付、前菜、お造り、炊き合わせ、焼き物と興奮して食い散らして、山菜胡麻鍋の大鍋が出てきたとたんギブアップ。
恨めしそうに、焼おにぎり、香のもの、デザートを横目で見ながら、再び風呂へ。部屋に戻ると、食べ残したデザート、焼おにぎりが届いていました。朝食もすべて地のもの。朝から盛り上がります。
隣りに座った若いOL風の女性二人、昨夜の夕食時は浴衣姿でひっそりと喋っていたので気が付きませんでしたが、今朝は私服に着替え、機関銃の様に中国語で喋っています。
うちの女どもは、肌がすべすべだと喜んでます。「たった一日でそんなに効くもんか」と内心では思いましたが、黙っていました。
湯治は一週間目から聞き始めたと聞いた事がありますともかく、身体のあちこちがガタガタの私としては、長湯治して、オーバーホールしなければと思っているのですが、いつのことになるやら。