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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2019 年1 月25 日
明けましておめでとうございます。
大晦日、元旦と記憶がすっ飛ぶほど大酒を食らう。そして死んだように眠る。毎年、こんな無様な元旦を繰り返す。
正月二日にやっと外出する。氏神様の佃住吉神社へ初詣。
翌三日、猫たちが朝飯の催促に私の布団の中へ。しゃあないな-と魚を焼き始める。朝の二時過ぎ、テレビをつける。いつものNHKBSプレミアム。見たことある人物が。六角精児の呑み鉄本線日本旅だ。チョーラッキー。大好きな番組なのだが再放送は滅多にない。
「乗り鉄」、「撮り鉄」いろいろあれど、我が鉄道の旅は「呑み鉄」なり。レールの先にある旨い酒、旨いものを求めて、走る列車に身をまかせれば、ああ、今日もいい気分。のナレーションが始まる。壇蜜さんの乗っては飲んで、降りては飲んで、今日もいい気分。の語りが艶っぽい。出発駅のキオスクで買ったチューハイ、ビール、白角水割、つまみは、ちくわ、魚肉ソーセージ、スルメを、対面式のクロスシートに座るや、一分半でカパッと缶のプルトップを引っ張り開け一口、「うまい」。なんとも至福の笑み。私もつられて白ワインをグビグビ。
今日の再放送は、島原鉄道編、千葉小湊鉄道・いすみ鉄道編。金沢いしかわ鉄道・七尾線編の三番組を連続放送する大盤振る舞い。猫どもを置いて旅など出来ぬ黒ネコは、六角さんと一緒に鉄道旅へと出発。六角さんと合わせて、日本酒をグビグビ。
六角さんはシンガーソングライターでもある。番組中にたびたび流れる「ディーゼル」という曲。走る列車のリズムに合わせ、缶ビールが揺れている。海岸線は故郷に続く道、負けたんじゃない、逃げるんじゃない、ほんの少し弱くなっただけ。こんな曲も。若い頃からの偏食がたたり、尿酸値が異常に高い。塩辛、エイヒレ、あんきも、このわた。痛風になったようだ。医者から食事制限を告げられる。きょうもおいらは痛風に怯える。この唄、六角さんの自虐ネタ。痛風を経験した私は毎回、吹き出す。
六角さん、三十代半ばまで、ギャンブルで負けが込み首が回らなくなった時、全国の競輪場をすべて鉄道で移動した。鉄道に乗って楽しかった事を思い出し、趣味を鉄道にしたそうだ。昨年末の有馬記念。伏高のマッチャン、年間マイナス十万を取り返すと張り切ってましたが、見事に散る。私、少ない配当ながら当てて、チップをあげました。六角さんを見習って、趣味を変えては。マッチャン。