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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2016 年8 月26 日
先月の市場休みの水曜日、まだ梅雨空だったが上野へgo。平日なのに、かなりの人出、外国人がわんさか歩いている。不忍池は、池の水面が蓮の葉でびっしり覆われ、ところどころに精巧な紙細工のような、でかいピンク色の蓮の花が、池全面に広がる。二、三年前に設置された、池に張り出した鉄橋のプロムナードには、蓮の写真を撮ろうと望遠レンズ付きのカメラを持った年配者がびっしり。まるでプロカメラマンの完全装備と構えで、蓮の花にピントを合わせる。
池の周りには、ポケモンgoで遊ぶ若者、中年(?)がうろうろ。この蓮は、縄文時代に咲いていた古代ハスである大賀博士が発見した「大賀ハス」もあるとか。どれがそうなのか色々種類がありすぎて。最近、整備され、すっきりした池の周りの遊歩道をそぞろ歩き、上の山に昇る。
動物園入り口前を通り、中央広場の今公開中の各美術館の案内板を見るが、どれ一つも興味がわかない。都美術館の仏ポンピドーセンター展、どうも現代美術は苦手だ。天才ピカソ、マチスと言われても。
こんな時は、そう国立博物館へ。特別展の「古代ギリシャ時空を超えた旅」展は先月観たので、一般展のチケット一人六百二十円。この金額で、国宝、重文のお宝が見放題。空調の効いた館内でたっぷり過ごす。ミュージアムショップで、古代史の文庫本二冊と歌川国芳の猫のマグネットを買う。うちのやつ、日本画家、小村雪岱の画集を。東洋館はパスして国立西洋美術館へ。入口のロダンとブールデルの彫刻のある広場は記念写真を撮る人達で大混雑。ル・コンビュジエ設計のこの美術館が世界遺産に登録されたからだ。人波をかき分けて片隅の喫煙所へ。こんな所でも、ベンチに座る若者二人がポケモンgoに熱中している。
上野公園内でも、所かまわずゾンビ達がゆっくり歩いては、ぱたと止まる。日本中にはびこるポケモンgo。築地でも、場内は吉野家一号店前とか、場外では本願寺、善林寺前とか晴海通りの波除神社の看板前とかがポケスポットになっていると本屋のおかみさんが言っていた。「家の中でぐだぐだ遊んでる子供が屋外に出て歩くのは、かえって健康的かも」。なる程と思う。客寄せしたい側は歓迎。迷惑な側も。鳥取砂丘は大歓迎。出雲大社はNG。熊本城は進入禁止なのでNG。
「皇居でも、ポケモンスポットがかなり有るんだって、これから皇居行く?」。「不謹慎な!! それに、あんたスマホ持ってないでしょ!!」。忘れてました。