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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2015 年6 月26 日
築地には、今日も真夏日の強烈な日差しもなんのそのこれしきと、国内のみならず海外からの観光団が押し寄せてくる。築地場外に建設中の新築地市場の三階建の鉄骨が、ほぼ完成。伏高の裏の海幸橋新市場の基礎工事の鉄杭打ちの音が、かまびすしい。もの凄い勢いで、築地の風景が変わっていく。
日本橋三越本店で、写真展「岩合光昭の世界ネコ歩き」が開催されている。先週の読売新聞、半ページ一面にその広告が。見て仰天した。モデルのギジトラ猫が、我が家のノンタにクリソツ。どこから見てもクリソツ。即刻、そのポスターを買いに三越へ。日曜日の三越本店の七階は異様な熱気。手前の和装売り場は、お客さん、まばらなのに、猫グッズ売り場は、人、人、人。とりわけ、岩合さんの新刊本を手にサインを求める人の行列ったら、おっ魂消る。新館の展覧会場へ続く長い渡り廊下が身動き出来ない程の人、人、人。「だめだこりゃ」と水曜の休市日に再挑戦となった。
さすが平日は、幾分見学者は少なめ。とは言っても写真展会場の中は、ゆっくり見学は出来ない。珠々つなぎで、行列は進まない。NHK、BSプレミアムの人気番組、「岩合の世界ネコ歩き」は、もう四年目に入る。私も再放送に当たれば、見逃さない。いいですねぇ、岩合さん。地面に這いつくばって、猫の目線で「美人だね」、「おりこうさんだねぇ」、「いい子だねぇ」と呼びかける。猫の嫌がる素早い動作を極力避け、スローモーに接写する。
三越デパート全館が猫モード。猫をあしらった食品から雑貨まで、ねこ、猫、ネコ。エレベーターには猫が顔を出し、エスカレーターで下ると、肉球シールが床にペタペタ。マネキンの頭には猫耳のヘアバンド。美術サロンは猫の絵専科。ありました藤田嗣治の猫のリトグラフ。七十万円では手が出ない。結局、岩合さん写真集とポストカード、スターバックスのロゴをぱくったスターキャットコーヒーのロゴ入りトートバックがお土産に。ペット産業は、これからの時代、有望株です。「満足した? じゃ神保町へ行きましょう」。
丁度昼飯どき、ランチョンで日替わりランチとビール。パッと閃く。神保町に、「にやんこ堂」という猫本専門店があったことを。後で待ち合わせという事で、うちのやつは歌川国芳の画集を探しに、私は「にゃんこ堂」へ。
ネコ本専門店といっても、普通の本屋さんの半分の棚に、猫関連本コーナーがあるだけ。それでも、絵本から小説、写真集、雑貨とかなり充実している。出版不況にさらされた小さな書店を猫好きな娘さんが救おうと始めたのだ。二点の本を求めレジへ。父の店主。満面の笑みで対応。娘さんデザインのブックカバー、しおりを入れてくれる。これからも応援しまっせと思いながら店を後にした。