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黒川 春男

築地の風景

by 築地本店店長、黒川春男

2004 12 17

いよいよ師走となりました。

今年一年の世相を表す漢字に「災」の一文字が選ばれたそうです。ちなみに二位が「韓」、三位「震」 と続くそうです。

朝の開店時間は冬の寒さなのに、昼過ぎには「今、師走だったっけ」と首をかしげたくなるほどの 暖かさです。朝方にはちらほらと見かけるだけの一般客も昼近くには混み合ってきます。 しかし大半の方は正月用食材を買い求めてというよりは築地市場での食事が目的の様です。 テレビ局が競って市場グルメ番組を放映する影響でしょうか。

そういう私の店も先日取材を受け放送されました。お客様の何名かに「テレビで顔を見たよ」 と言われ、エッと思い出し気恥ずかしい思いをしました。意外と多くの人がそういう番組に 関心をもって見てらっしゃると驚きます。

伏高のお客様には料理教室の先生が本当に多くてテレビで度々拝見していますが、 そんなお一人が困り顔でこう仰いました。

「例年主催する『おせち』の教室を募集してみたけど、いつもは百名近くの生徒さんが 三十名足らずだったのよ。」

デパート、スーパー、町の料理屋さん・仕出し屋さんの出来合いのおせちを買い求める方が 増えているのかもしれません。「ペット用おせち」もある程バラエティー豊かなんですから。

それはそれでいいのでしょうが、我が家のおせち、家庭の味あふれる『自分流のおせち』も 数点用意してください。淋しいじゃありませんか。

今年は栗とか黒まめ等は日本列島を吹き荒れた災害のために高騰しているそうですが、 これら定番(縁起物)は市販品を利用して、盛り付けに一工夫し、あとは自分の得意な 何点かを加えれば、我が家流おせちの出来上がりです。

中華風でも洋風でも、ナンプラーとレモン汁で下味したエビの唐揚げといったタイ風でも 立派なおせちです。

そして鰹節屋の伏高としましては、削り節を天盛りにした、あつあつのお雑煮を 添えていただければ何も言う事はありません。

2004年もあと半月で閉じようとしています。皆さまへはこの一年の感謝と来る年の 御多幸をお祈りしています。

「災」の一時が、「災転じて福となす」となればと期待しつつ。

敬具

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