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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2004 年11 月19 日
十一月も半ばとなりようやく冷え冷えとした秋らしい時候となりましたが、本当に今年は
天変地異のオンパレードといった年でした。
新潟中越地震から三週間が経ちますが今だ避難所で夜も眠れない生活を送ってらっしゃる
被災者も多いと聞いております。心から御見舞い申し上げます。
お客様の中にも数名、家族が被災されたという方がいらっしゃいました。家屋の倒壊はこうむらずに
済み、壁に亀裂が入った程度だった様でなによりでした。
私どもの商品は新潟産の品は扱っていないのですが、隣の伊勢龍さんでは米どころ新潟産の
米加工品(白玉粉など)の欠品が出始めたところです。
テレビの画面には土砂崩れで埋まった棚田、陥没した水田、亀裂の入った農道、
用水路、そして酒造場の砕け散った酒瓶の映像が流されていました。私の大好きな新潟コシヒカリは、
久保田はどうなるのかと心配です。いやそんな事より、こちらでは欠品で済むのですが現地では
生計の糧が突如なくなるのですから・・・言葉を失います。
被災当初の避難所での食事は驚くほど貧しい内容でした。冷たいおにぎり一人一個程度とか
菓子パン一つとか、何でもよりどりみどりの築地とはほど遠い風景でした。そしてやっと
暖かい味噌汁一杯が振る舞われ感謝する被災者の人達。ほころんだ表情に毎日毎日
あたり前についやす食事がどんなに大事な日常なのかと考えさせられます。
家族が集い顔を見合わせ食べる湯気の立ち上がる食卓。お腹が減ったから食べるのではなく
心を通わせた食卓が明日の元気の素となるのではないでしょうか。
雪国新潟の県民気質は忍耐強い人が多いそうです。希望の光はそこに有りそうです。
新酒が新潟からも届いています。新潟県人に畏敬と感謝の念をこめて一杯。
もちろん頑張れのエールとともに。