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築地の風景
by 築地本店店長、黒川春男
2013 年7 月19 日
先日、伏高の会計のお姉さん、「昨日のテレビ見て笑っちゃったわよ。炭水化物ダイエットで血糖値が下がったのはいいけど、他の数値が悪化して、その男、出演していた芸能人中、最悪の結果になったの」と嬉しそうに話す。「店長も気をつけなさい」と鬼の首を取った様な喜びよう。
その数時間後、勘定払いにいらっしゃったお客様が、「店長、痩せたんじゃない?」。すかさず姉さん、「炭水化物ダイエットですって、うちの店長さん」と茶化す。すると旦那さん、「店長より、あんたがダイエット必要なんじゃないの」とピシャリ。「好物ひかえるなんて、とてもできませんのよ」。辛辣な旦那さん、「こりゃ駄目だ、馬の耳に念仏かよ」。
ところで、先日、ユネスコの世界記憶遺産に藤原道長が記した「御堂関白記」と伊達政宗が欧州に送った「慶長遣欧使節団の関係史料」が登録された。 御堂関白記は日記としては世界最古、しかも自筆。よくぞ千年も何度の焼失の危機を乗り越え、生き延びてきたものだ。なんと物持ちのいい国なんでしょう、日本は。
この道長の日記、同時代のライバル、右大臣、藤原実資の日記「小右記」の記述から、藤原道長が、糖尿病の症状がはっきり記録された最古の日本人であることが判った。3人の娘を天皇の妃に送り込み、その祝いの宴で、「この世をば我が世と思う望月の欠けたることもなしと思へば」と、この世に敵無しと絶頂のその時、道長は、目がよく見えず、糖尿病による合併症である網膜症の兆候が現れていた。しかも道長は、しばしば口の渇きを訴え、昼夜なく水を欲しがり、脱力感に襲われていたと「小右記」は暴露している。
千年前の最高権力者の病が、今や国民六人に一人と疑われる国民病となった。病が、政敵をころた怨霊から生じていると、死に怯えていた道長と違い、現代人は糖尿病が、食事と運動をコントロールすれば長生きできる病気だと知っています。と言いながら、ワインのボトルが空になりそう。判っちゃいるけどやめられない。又、自己嫌悪に陥る。