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黒川 春男

築地の風景

 

 

 

by 築地本店店長、黒川春男

 

 

201021

 

先日、久し振りの春日和に誘われ日本橋三越本店真向かいにある日本橋島根館に十六島海苔の佃煮を買いに行った。そこから十数歩の並びに、頭に鹿の角が生えた「せんとくん」を発見。何かと物議をかもしたマスコットキャラだが、初めて実物を見た。意外とかわいい。そこは別のアンテナショップ、奈良まほろば館だった。

 

「平城京遷都千三百年祭」の大きなポスターが目を引く。そういえば、前日のニュースで、平城宮跡に復元された大極殿の一般公開に参加した中年女性が「予想以上に素晴らしい!!」と興奮してました。

 

かなり前、毎年のように訪れた奈良ですがここ十年ほど、ご無沙汰しています。

 

京都駅の新幹線口を出ると目の前に近鉄改札口。近鉄特急に乗り南下。大和西大寺駅から東に方向を換えるとすぐ、ぽっかり空いた空間へ進む。そこが平城宮跡だ。やがて進行方向右手に、朱塗りの朱雀門が見えてくる。ということは復元された大極殿は進行方向左手に見えるのかと独りごちてニヤリ。世界遺産になった平城宮跡をヨコにぶった切って走る近鉄線なんて、とんでもないと思うが、近鉄線が敷設された頃は発掘作業が始まっていなかったらしい。

 

去年、卑弥呼の墓発見と騒がれた箸塚古墳のある巻向遺跡や東京国立博物館に八十万人の入場者を集めた阿修羅像を拝観できる興福寺。更に東大寺、薬師寺、唐招提寺、取り分けてぞっこんなのが法隆寺。境内をぐるりとめぐる廻廊に腰を下ろし、五重塔、金堂を見上げる時、時間が止まり天平の風が吹き渡る気がする。

 

こんな魅力満載な奈良に大極殿が復元されたと聞けば、昔なら即行で奈良に向かったであろうに、その身軽さも蓄えた脂肪が増すにつれ消えた。今はもっぱら近場のウォーキングで精一杯。何というていたらく。 

 

 

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