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黒川 春男

築地の風景

 

 

 

by 築地本店店長、黒川春男

 

 

200820

 

六月となりました。伏高の店の暖簾も、白い生成りの麻地に衣替えです。一年中変わりばえしない店先ですが、気分だけでも夏仕立てです。  

 

先日、削器を求めて来店された若き女性。最初にみえた時は、値が張る削器に思案顔でした。いつもの様に「場外市場の刃物屋さんに手頃な値段の削器がありますよ」と紹介しました。かなり経って再び登場。お母さん同伴でした。

 

開口一番、「この店けぇ、どらみせてみろ」とド迫力の浦安弁(?)に、こちらはたじたじとなります。超あか抜けたお嬢さんと見比べて、「本当に親子かいな?(失礼)」と口を滑らしそうになりました。「こりゃいいべ、これにしとけ、ほれ、おんだらの削器は、親族の中で一番ちっちゃこいんだ、これならいいべ」と即決。早速、調整に取りかかる。刃の出し方次第で、削った花が粉状からヒラヒラの花へと変わると念を押し、実際に娘さんに削ってもらう。

 

「こんな花、見たこたぁねぇべ、ありがとついでに、酒飲んでくれるべ」と紙箱に入ったコップ酒三つ。ポリ袋から取り出す。うちの松ちゃん「仕事中ですから」にすかさず「バカッたれ、終わって飲めばいいんだべ」とぴしゃり。「はええとこ、けえるべ」と近くの寿司屋さんで飲みつぶれているらしい父親のもとへ急ぎ退店。この父親への父の日のプレゼントだと娘さん言ってました。

 

その頂いた酒の外箱に『築地魚河岸三代目』の文字。場外市場の特設ブースで配られた、映画『築地魚河岸三代目』のキャンペーン用のものだ。あのポリ袋の中には、まだ五・六個残っていたような。あのお母さんなら、1ダースは黙って差し上げたくなる筈だ。あの気迫だものと独り合点。

 

この映画『築地魚河岸三代目』は 築地に本社のある松竹は、『釣りバカ』に続くシリーズ化を決め、この秋には、来年公開の第二作のロケが市場で再開するとか。通行人役のその他大勢に参加しちゃおうかなと心待ちしています。

 

 

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