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黒川 春男

築地の風景

 

 

 

by 築地本店店長、黒川春男

 

 

20061117

 

朝の茶屋出しが片づくと、朝食へと近くの食堂に向かいます。金五百五十円也の朝定食が定番なのですが、大盛りの御飯は、おかずを平らげると半分が残り、そこへ味噌汁をぶっかけ、ねこまんまとなります。小心者の私は、いつも後ろめたさを感じながら、廻りに気付かれない様に、ソッとぶっかけます。なぜなら、ねこまんまは実家では御法度でしたから。


店で何かの話の折りに、「朝飯はねこまんまをするんだ」と言った時、店の一人は「ええっ! それはねこまんまじゃなくて、汁かけ御飯、犬めしでしょう」と眼を白黒させます。私「鳥取では熱々御飯に熱々味噌汁をぶっかけて食べるのが、ねこまんまだぜ」と言うと、その人は「ねこまんまは、熱々御飯に削り節とほんの少しの醤油をたらしたものがねこまんまなの」と、頑張ります。別の一人は「絶対に醤油はかけないわ」とバラバラです。そして話の流れは、「それにしても、ねこまんまなんて、食堂の人に失礼じゃない!!」と私への非難へと風向きが変わります。


私「お昼のテレビ番組で、朝の栄養不足の脳に、御飯の糖質を味噌汁で素早く分解吸収して栄養補給するのが理想的な食事法だと言ってたもん」と反論しますが、皆、冷淡な目差し。実際の所、この番組を見て、長年のタブーから、不作法のトラウマから解放されて、ねこまんまを再開したのは本当の事です。更に、納豆が苦手な私は、ついに、味噌汁に納豆を入れてのねこまんまへとエスカレートします。ついでに漬け物までも。


そう言えば、炊きたての御飯をどんぶりに入れ、削り鰹節をその上にパッとまき、そこに醤油をかけて食うのが『オレの最後の晩餐だ』とのたまう有名グルメ作家もいましたっけ。時々、伏高の店に、海外に赴任される方が鰹本節を求めに来られますが、それはきっと鰹本節と白米、味噌、醤油があれば、何処でも、究極のねこまんまが簡単に出来るからなんだと勝手に想像して一人合点している私です。

 

 

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