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黒川 春男

築地の風景

 

 

 

by 築地本店店長、黒川春男

 

 

201520

 

毎朝、気温零度が続く。重ね着が重く、築地へ出勤の自転車はなかなか前に進まない。朝、四時半、ふうふう息切れしながら、かちどき橋を渡りきり、市場のかちどき門にたどり着くと、門の横、お魚普及センターの前に、しばらく閉鎖していたマグロ競り場の見学者達が、舞い戻ってきた。皆同じ黄色いメッシュのベストを着た外国人達が、ハイテンションで群れている。この凍て付くような寒さの中で。

マグロと言えば、門前仲町へのウォーキングの途中、校門前を通り過ぎる越中島の東京海洋大学が、なんとクロマグロの卵と精子のの生殖細胞をサバの稚魚に移植する実験に成功した、との記事。今年の夏には、成魚となったサバが産卵してマグロの稚魚が誕生する。近畿大学が卵からふ化させて育てる完全養殖に成功したが、マグロは卵から大人になるまで五年程かかる上、繁殖に必要な体重百キロの親マグロを飼育する大型施設も必要。ところが、サバがふ化から一年で繁殖可能。大人になっても、三百グラム程で、比較的、小さな水槽でも育てられる。予めサバの精子と卵子を作らないよう処理したサバが移植されたマグロの精子と卵子を増殖させ、放流し交配させると、大量のマグロの稚魚が生まれる、去年、太平洋のマグロは絶滅危惧種に指定された。漁獲量削減がどんどん進む。そんな中での実験成功は、マグロ稚魚の量産を可能にし、完全養殖にとって、かなりの追い風になると記事は伝える。まさかサバがマグロを産むとは。

築地伏高の店の斜め前の元祖海鮮ひつまぶし「虎杖」(イタドリと読む。田舎では「スカンポ」と呼び、生で食った)南店が、最近、「近大マグロ入荷、愛媛県産、一本買い」と目立つ看板を出した。「近大マグロ」を一般人が理解できるのだから、近大マグロは大いに出世した。この店主は京都出身だというが、あっという間に、築地場外市場に十店舗と快進撃中。伏高が御世話になった、つま屋さんがちょっと前に廃業した。その店舗、すぐさま改装工事が始まる。二階の外壁に銅板が貼ってあり、深緑色に変色しているのがレトロ調。その部分は残し、一階をピカピカの銅板を貼り付ける。新旧のアッと目を引くコントラスト。この店も、「虎杖」の最新店舗だった。「ほんま、ようやりまんなー」と感心するばかりの私なのです。

かなり前、「虎杖」築地進出一号店で、アナゴ天のカレーうどんを食べたことがありますが、いまいちだったので、ずっと御無沙汰してましたが、近大マグロには興味津々。築地は今や、マグロと恋に落ちた人達で盛り上がっている。

 

 

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