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黒川 春男

築地の風景

 

 

 

by 築地本店店長、黒川春男

 

 

201418

 

春のうららの隅田川、上り下りの船人が、櫂のしずくも花と散る・・・晴海運河を見渡し、口ずさむ。いよいよもって春到来。この記事がのる頃は、桜花は散り払われて、すでに葉桜かも。せわしないけれど、パッと咲いて、パット散るのが、日本人を桜好きにさせた抜群の演出なのだ。  

先月末の早朝、出勤前に不燃ゴミを駐輪場の前に出しに行って、ふと誘われるように上を見上げると、桜の花が五分咲き。「オオッ、咲いている」。うちのマンションの廻りは、桜の木数十本に囲われているのだが、この桜の木は、すぐ隣の二階の住民の苦情(桜の樹皮に付く害虫が部屋に入り込む)で、容積三分の一まで切り落とされた。健気にも、切り残された枝から新しい枝を伸ばし、白い花を咲かせたのだ。天晴れな働きなるぞ、ほめてとらすとエールを送る。

築地に向かう。途中の黎明橋公園は、最近、リニューアルされたが、道路脇の桜の木、五、六本が切り倒された。街灯に照らされ、暗闇に浮かぶ薄紅色の桜が真っ先に桜の開花を教えてくれたのに。「桜の木を切ると祟られまっせ、中央区公園課のオッサン達」と毒づく。勝どき橋を渡ると市場の勝どき門。またたむろしている外国人観光客、ツナオークションを見たいとは御苦労様。しかし参加者が限られている(百二十人)ので、この時刻ですでに満員。警備員が頭を下げて断っている。入場料を取ってないのに、日本人は優しすぎる。

店に着き、開店の準備を始める頃、外が騒がしい。伏高の対面の寿司店の前にある、顔の部分だけ穴の空いた鮪を持ち上げた漁師のパネルから顔を出し、フラッシュ撮影しながらキャッキャッと大声で騒ぐ外人ども。何が面白いのか。上の階では住民が就寝中なのに。パソコンに向かい、電話注文を入力し納品者を印刷する時間も、店前には、あらゆる言語が通り過ぎる。ここは何処?、と自問したくなる程、ここ数年、海外のツアー客が激増した。

外国人の行動にも時間差があって、空が白み始めた頃には、マニアックなカメラ小僧ばかりの欧米人の輩が出現し、開店前の店内にカメラを向ける。やがて陽が高くなり暖かくなると、台湾、東南アジア系の輩がぞろぞろやって来る。会話の音量、半端じゃないほどやかましい。難聴なのか、自己主張が強いのか、一番多い台湾人、三人に一人が苺をお土産に.夏はフルーツヨーグルト。どうなっちまうのか築地は。

 

 

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