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黒川 春男

築地の風景

 

 

 

by 築地本店店長、黒川春男

 

 

201323

 

先月の一の丑。伏高のお客様である数々の鰻屋さんは絶好調だった。鰻の値段がうなぎ登りのこの御時世、庶民には高嶺の花になったとはいえ、やはり日本人のDNAに刷り込まれた「土用の丑の日はうなぎ」は今も顕在している。万葉集の大伴家持が、「夏痩せによしといふものぞ、鰻とり食せ」と戯れ歌をうたっている。黒ネコも、昼時、築地の鰻屋さんに向かうが長い列。スーパーのパック鰻の蒲焼きが千円なら、鰻屋さんの三千円の方がずっといい。  

本日の日経新聞に「ウナギの幼生のエサはプランクトンの死骸 東大など完全養殖へ一歩」の見出し。ウナギの完全養殖は、二年前に日本で世界で初めて成功していた。しかし、卵からの幼生そして稚魚のシラスうなぎ、成魚へと育てるのだが、幼生の餌が不明のため九割以上が死んでしまい、実用化は無理だった。餌が解明され、九割以上が生き残り、実用化は確実に現実に近づいていると研究者は太鼓判。この二月に、環境省がニホンウナギを絶滅危惧種に指定しているから、このニュースは未来に光が差した様なものだ。

そもそもは、日本の科学者がウナギの産卵場所がマリアナ海溝であると突き止めた.平たい形の幼生になり、北赤道海流に乗って北上する。母を尋ねて三千海里の旅が始まる。黒潮に乗って北上、その途上でシラスウナギに変態。日本の河川を遡上し成長した後、産卵のため、再び、マリアナ海溝へ。何ともすごい長旅なのだ。

一の丑の翌日、スーパーの魚売場。特売の赤札の下には、中国産の鰻の蒲焼きが残っていた。従業員に押しつけても残ったのか。世界の鰻の七割、クロマグロの八割を消費する日本を強欲だと非難する世界に、完全養殖で強烈なパンチを一発。「どうだ、文句ねぇだろう」「あー、すっきり」となります様に。八月三日に二の丑が。白ワインが鰻の白焼に合うと誰かが言っていた。

 

 

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