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黒川 春男

築地の風景

 

 

 

by 築地本店店長、黒川春男

 

 

201222

 

好天の日曜日。浅草へ。まさか、スカイツリー見物ではありません。我が家のマンションの外側通路の窓の内側に掛ける麻のれんを二枚買いに行ったのだ。窓を開けると、網戸越しに室内が丸見え。ボロ隠しの麻のれんが黄ばんで、取り換え時期。以前求めた、浅草寺仲見世脇の暖簾屋さんへ。

 

大江戸線蔵前駅で下車。駒形橋の交差点で写真を撮る一団。近づき、その視線の先を見るとスカイツリーが。ぐぐっとでかい。想像以上のでかさとその存在感。明後日がスカイツリー開業日なのだが、それ程の混雑なし。それにしても、歩きながらも、どの角度からもスカイツリーが望めます、ここ浅草は。さすが世界一の高さ。高所恐怖症の黒ネコは三千五百円払ってまで、あんな所に登る気はサラサラないのだ。強風でエレベーターが止まると聞くと、あんな空中に置き去りにされると考えただけで心拍数がMAX。

 

浅草寺へお参り。おみくじを二度引くが、二度とも末吉。今日買う予定のドリームジャンボ宝くじはパス。のれんを買って合羽橋道具街へ。日曜の所為かシャッター通り。仲見世とは別世界。開いてるお店も節電中との貼り紙で薄暗い。食品サンプル屋さんと刃物屋さんが元気。外人客の姿も。築地でも、有次の袋を持った外人客を時々目にする。世界中で和包丁が大人気なのだそうだ。特に三徳包丁、セラミック包丁、ペティナイフ。外国人の名前をカタカナや当て字の漢字で包丁に刻むサービスが大好評。サムライの刀を持った喜びなのかも。

 

稲荷町の暇そうな仏具街を通り抜けて上野に。浅草以上にごった返す。モツ煮込みが絶品の「焼鳥文楽」の外テーブルでしばし一休み。前を通り過ぎる群衆のざわめきが耳に入る。石川啄木の「ふるさとの訛なつかし停車場の中にそを聴きにゆく」どころではない、あっちゃこっちゃの方言。更に色々の外国人の言葉が飛び交う。一体ここは何処なの? 時折、頭上を駆け抜ける山手線の轟音が妙にアンサンブルしてエスニック度は満点。ウィスキーソーダ三杯目で、クラクラと人酔い。二人席を立つ。

 

「また、やってるわ、閉店セール」、毎日が閉店セールと呆れながら人混みを掻き分け吉池に。あちゃ、忘れてました耐震工事中だったのを。ならばと松坂屋地下の魚売場へ。「ええっ、高い、こっちも高い」と「高い」を連発するうちの奴に肘鉄を食わし、「声がでかい」とたしなめる。最近どうも「高い」が口癖になった。

 

 

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